人の体には様々な臓器がありますが、全身の外見を鏡で見ることはできても、内部までを見ることができませんよね?

そのため、臓器の名前はわかっても、それが体のどこにあるのか、どこに位置するのか、わからないことも多いと思います。

そこで今回は、人の臓器の場所(位置)を、腹部臓器→消化管→骨盤の臓器→胸部の臓器→頭頸部の臓器の順

  • 大腸
  • 盲腸
  • 十二指腸
  • 副腎
  • 膀胱
  • 前立腺
  • 子宮
  • 卵巣
  • 心臓
  • 涙腺
  • 副鼻腔
  • 唾液腺
  • 扁桃腺
  • 甲状腺

と、わかりやすく図(イラスト)や実際のCT画像を用いて解説していきます。

ぜひ体の上から手を当て、確認しながらご覧ください。

胃の場所はココ!

胃は腹部の複数の領域に渡って存在しており、だいたいみぞおち付近に位置します。

これを詳しく説明すると

  • 心窩部
  • 右上腹部
  • 左上腹部
  • 腹部正中部

と、複数に渡っているのが、以下の図を見るとわかりやすいかと思います。

また、胃は

  • 胃底部(いていぶ)
  • 胃体部(いたいぶ)
  • 幽門部(ゆうもんぶ)

の3つに大きく分けられます。

胃の場所について、詳しくはこちら。→【CT画像あり】胃の場所を図で解説!痛みが出るのはココ!

大腸の場所はココ!

大腸は、盲腸・結腸(上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)・直腸に分けられ、

  • 横行結腸部分は、胃の下
  • 直腸は下腹部の中心
  • 盲腸・上行結腸は、小腸を取り囲むように体の右側
  • 下行結腸・S状結腸は、小腸を取り囲むように体の左側

にあります。

お腹側の断面(スライス)を見ると、肝臓の下に胃があり、その下側に横行結腸が横に走っているのがおわかりいただけると思います。
医師
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こちらの画像では、上行結腸・下行結腸・S状結腸の一部がわかりやすいと思います。
医師
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大腸の場所について、詳しくはこちら。→【CT画像あり】大腸の場所を図で解説!痛みが出るのはどこ?

盲腸の場所はココ!

大腸の始まり部分である盲腸は、

(右下腹部)右腸骨窩で腸骨筋の前

にあります。

この盲腸というのが、虫垂炎とごっちゃになっている方が多いと思いますが、この図を見てもわかるように、盲腸と虫垂は近いですが別ものです。

盲腸の場所について、詳しくはこちら。→【CT画像あり】盲腸の場所を図で解説!痛みが出るのは?

十二指腸の場所はココ!

みぞおちの少し下から、右の上腹部から副部正中部にかけて十二指腸はあります。

そもそも十二指腸というのは、口から食べたものが消化され、

胃→十二指腸→空腸→回腸→結腸→直腸(→肛門)

という流れで進むのです。

十二指腸の場所について、詳しくはこちら。→ 【CT画像あり】十二指腸の場所を図で解説!潰瘍ではココが痛む!

副腎の場所はココ!

副腎は、左右にある腎臓の上部の前方に位置し、腎臓とは少量の脂肪組織によって隔てられ、

  • 右副腎は、右腎上極の少し上・下大静脈背側・肝右葉内側
  • 左副腎は、左腎上極内側・膵尾部後方

にあります。

この断面図を見ると、右副腎が肝臓の内側にあるのがおわかりいただけるかと思います。
医師
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続いて、骨盤の臓器です。

 

膀胱の場所はココ!

膀胱は、男女で異なり、

  • 女性の場合子宮の下(〜前)
  • 男性の場合前立腺の上(〜前)

にあります。

女性の場合、膀胱は子宮の下〜前、恥骨の上に位置していることがわかります。
医師
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男性の場合には、膀胱の後ろに前立腺があるのがわかります。
医師
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この膀胱は、尿の貯留によって大きさも変わります。

前立腺の場所はココ!

男性のみにある前立腺は、

  • 直腸の直前
  • 膀胱の真下〜やや後
  • 尿道を取り囲む
  • 尿生殖隔膜に接するよう

に位置しています。

この画像を見ると、恥骨や大腿骨との位置関係がよくおわかりいただけるかと思います。
医師
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前立腺の場所について、詳しくはこちら。→前立腺の場所を図で解説!病気で痛みが出る場所は?

子宮の場所はココ!

赤ちゃんのベッドともなる子宮は、

  • 骨盤(骨盤腔)のほぼ中央
  • 膀胱の後ろ
  • 直腸の前

にあります。

子宮の前には膀胱及び恥骨があり、後ろ側には直腸及び仙骨があるのがおわかりいただけるかと思います。
医師
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子宮の場所について、詳しくはこちら。→【MRI画像あり】子宮の場所を図で解説!痛みが出るのは? 

卵巣の場所はココ!

卵巣は下腹部に左右2つ。

子宮の位置が骨盤(骨盤腔)のほぼ中央・膀胱の後ろ・直腸の前なので、卵巣の場所は、その子宮の両側少し後上方にあります。

子宮の両側に少し離れて卵巣があります。
医師
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続いて、胸の臓器です。

 

肺の場所はココ!

肺は、気管をはさみ、左右に存在し、胸郭内にあります。

スカウト画像で見ると、このような位置です。
医師
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上のように左肺は右肺に比べ少し小さく、幅も狭いのは、左胸には心臓が存在するためです。
医師
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心臓の場所はココ!

心臓の場所というと、左胸に手を当てられる方が多いと思いますが、

  • 左右にある肺の間
  • 縦隔の前下部
  • 横隔膜の上(心膜に包まれて)
  • 2/3は正中線の左側
  • 1/3は正中線の右側

にあります。

正面から見ると、左右には肺がある・下には肝臓がある・ほぼ真ん中にあるけどやや左寄りであるということがわかります。
医師
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涙腺の場所はココ!

涙腺は目の上、眼窩の前上側隅にあります。

涙腺について、詳しくはこちら。→【画像あり】涙腺とは?場所を図でわかりやすく解説! 

 

つまり、目尻の上側に手を当てた部分です。
医師
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そもそも、涙腺は涙を生産する部分であり、

  1. 涙(涙液)
  2. 角膜・結膜
  3. 涙点(るいてん)
  4. 涙小管(るいしょうかん)
  5. 鼻涙管(びるいかん)
  6. 下鼻道(かびどう)
  7. 下鼻道

という経路を辿っているのです。

涙腺崩壊といい、目頭を押さえる行為を目にすることがあると思いますが、目頭は涙点であり、涙腺は目尻上なので実は反対なんですね。
医師
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副鼻腔の場所はココ!

副鼻腔は、一部分を指すわけではなく、上顎洞(じょうがくどう)・前頭洞(ぜんとうどう)・篩骨洞(しこつどう)「前篩骨洞(ぜんしこつどう)・後篩骨洞(こうしこつどう)」・蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)という部位があります。

それぞれに分けて場所を説明すると・・・
医師
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  • 上顎洞・・・上顎骨付近(小鼻の左右両側・頰の下)
  • 前頭洞・・・前頭骨の内部(鼻を上になぞった目の上・額)
  • 篩骨洞・・・篩骨(蜂巣)付近(目頭の内側で鼻に沿った部分・目側:前篩骨洞・奥側:後篩骨洞)
  • 蝶形骨洞・・・蝶形骨と呼ばれる骨の付近(後篩骨洞のさらに奥側・蝶篩陥凹部分)

にあります。

副鼻腔の場所について、詳しくはこちら。→【CT画像あり】副鼻腔の場所を図で解説!起こる病気は? 

唾液腺の場所はココ!

唾液を分泌する場所である唾液腺は、大唾液腺と小唾液腺があります。

小唾液腺は小さな米粒大のものが、口唇腺・頬腺・口蓋腺・舌腺などに点在しますが、大唾液腺は、耳下腺(じかせん)・顎下腺(がっかせん)・舌下腺(ぜっかせん)の3つがあります。

つまり、これら全部をまとめて、唾液腺というのです。
医師
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  • 耳下腺・・・耳介の下・外耳道の前方・頬骨弓から下方・下部は下顎角と胸鎖乳突筋との間
  • 顎下腺・・・下顎・下顎底の内側・下顎骨と顎二腹筋の前・後両腹に囲まれた三角形部(顎下三角)
  • 舌下腺・・・舌下部・舌下ひだ内

にそれぞれあります。

扁桃腺の場所はココ!

扁桃腺は一箇所を指すのではなく、アデノイド(咽頭扁桃(いんとうへんとう))・耳管扁桃(じかんへんとう)・口蓋扁桃(こうがいへんとう)・舌根扁桃(ぜっこんへんとう)の総称です。

それぞれの場所は、以下の通りです。
医師
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  • アデノイド・・・鼻腔からつながった天井部・上咽頭の咽頭円蓋粘膜下
  • 耳管扁桃・・・アデノイドの側壁
  • 口蓋扁桃・・・口蓋垂(読み方は「こうがいすい」別名:のどちんこ・喉彦・上舌)の横(両サイド)
  • 舌根扁桃・・・舌の根元、口蓋垂の奥

にあります。

扁桃腺の場所について、詳しくはこちら。→扁桃腺の場所を図と画像で解説!手術が必要となるのはどんな場合?

甲状腺の場所はココ!

ホルモンを作り出す甲状腺は、

  • 喉・喉仏の下付近(前頸部)に
  • 気管の前と側面を取り囲むように

あります。

動画でも確認できます。
医師
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また、副甲状腺の場所は、

  • 甲状腺の背面
  • 甲状腺の上下左右4ヶ所

にあります。

甲状腺の場所について、詳しくはこちら。→【画像・動画あり】甲状腺の場所を図で解説!病気で痛みが出るのは? 

最後に

いかがでしたでしょうか?

人体の臓器の場所についてまとめました。

「だいたいこの辺りかな?」

というのはわかっていても、詳しい位置関係を初めて知ったという方も多かったのではないでしょうか?

また、臓器の場所別に、痛みが出る場所についても記しておりますので、併せてご覧ください。

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