呼吸器のメイン器官である

実はこの肺・・・肺自体が能動的に動くわけではなく、横隔膜などの呼吸筋の動きと、その動きに伴う胸腔内圧が変化することによって動かされ、呼吸運動をしています。

では、この肺は体のどこの場所にあるのでしょう?

また、肺の病気になると、どこの場所に痛みが出るのでしょうか?

今回は、肺について

  • 場所
  • 病気
  • 痛みが出る場所

などを、図(イラスト)と実際のレントゲン画像、CT画像を用いてわかりやすく解説したいと思います。

スポンサーリンク

肺の場所は?

気管をはさみ、左右に存在する肺は、胸郭内にあります。

胸郭(きょうかく)とは下のように背骨(胸椎)と胸骨と左右12本ずつある肋骨という骨が作る骨格のことです。

上の右側は実際のCT画像を骨だけ描出して3D再構成しました。

胸郭の立体像は画像だけでは伝わらないかもしれませんので、この再構成されたCTを動画にしました。

医師
胸郭は立体的であることがよくお分かりだと思います。

この胸郭の中に左右の肺が入っているのです。

CT画像を撮影する際のスカウト画像(レントゲン画像のようなもの)で実際の肺の様子をみてみると次のようになります。

レントゲンの場合、上の画像のように、肺は黒く写るのです。

左右の肺が肋骨や胸椎によって形成される胸郭の中に入っている様子、また容易に皮膚から触れることができる鎖骨との位置関係もわかりますね。

ちなみに左胸には心臓が存在するため、上のように左肺は右肺に比べ少し小さく、幅も狭い特徴があります。

重量は、右肺が500gに対し、左肺は450g。

容積は、右肺が1000mlに対し、左肺は950mlです。

医師
そんな肺の場所を実際のCT画像でみてみましょう。

肺の場所をCT画像でチェック!

縦隔条件(じゅうかくじょうけん)

30歳代男性の造影剤を用いていない単純CTの冠状断像(前から見た画像と思ってください)です。

さらにこの肺以外の様々な臓器が写っている条件を縦隔条件と言います。

左右の真っ黒な肺はいずれも左右の肋骨などが作る胸郭の中にあり、鎖骨の下にありますね。

また、両側の肺の間には心臓や大血管があり、肺の下には横隔膜が横たわっている様子がわかります。

この横隔膜により上は胸腔、下は腹腔と分けられるのです。

横隔膜直下には肝臓があります。

医師
では、もう少し後ろ側のスライスを見てみましょう。

より後ろ側(背部)のレベルでのCT画像です。

先ほどよりも上下方向に長いですね。

こうやってみると背中側では肺の占める割合はすごく大きいことがわかりますね。

左右の肺の間には大動脈や、胸椎(背骨)があります。

また左右の横隔膜の直下には、肝臓と脾臓、さらにその下には両側の腎臓を確認できますね。

この撮影の仕方(縦隔条件)では肺は真っ黒であり、肺炎や肺癌があってもわかりません。

医師
そこで肺野条件と言って見える条件を変える必要があります。
肺野条件(はいやじょうけん)

先ほどの画像を肺野条件にすると上のようになります。

肺の間には気管が見えていますが、この条件にすると肺以外の臓器が真っ白になってしまうため、他の臓器の診断はできません。

肺炎や肺癌の有無などをみたい場合は、この条件で診断します。

肺が存在する場所の目安は?

肺は上から上葉・中葉・下葉に分けられますが、その上葉の頂上を肺尖といい、鎖骨より約2cm上にあります。

つまり、鎖骨から2cm上から肺が存在するということです。

医師
レントゲンでみると次のようになります。

また、横隔膜に接する下の面を肺底といい、正面から見ると、だいたい第6肋骨の高さに位置しています。

このことから、肺は鎖骨の約2cm上から第6肋骨の高さあたりまである大きな臓器であることがわかりますね。

上でも説明したように、肺の内側には、心臓・大動脈・上大動脈があり、それらの器官を挟むように位置しています。

そのため、肺の内側面にはこれらの気管から圧迫された凹みがあり、中でも心臓による凹みを心圧痕といい、左肺はその心臓による影響を大きく受け一部が欠けて心切痕を形成しているのです。

スポンサーリンク

肺の病気は?

肺の病気といえば、肺炎がメジャーですよね?

肺炎ももちろんありますが、肺炎だけでも、細菌性や非定型ウイルス型など・・・原因により種類も多くあります。

また、それ以外でも、肺の病気は数が多く、

など、ざっと挙げただけでもこれだけの病気があります。

実際これら肺の病気では、どこに痛みが出るのでしょう?

肺の病気で痛みが出る場所は?

肺の病気では、長引く咳や喀痰などの呼吸器症状を伴います。

痛みが生じるのは、炎症が胸膜まで及んでいるときです。

その際に炎症が及んだ胸膜の部位に胸痛として痛みを伴います。

ただし、炎症が胸膜まで及んでいる部位が背部であれば背部痛になります。

胸膜の詳しい解説はこちらを参照ください。→【保存版】胸水とは?症状、鑑別は?心不全以外も徹底解説!

肺炎が胸膜に及んで胸膜炎を合併して痛みの症状が出る場合と、胸膜に炎症が強く胸膜炎単独を起こして痛みを伴う場合もあります。

肺炎や胸膜炎の診断は、臨床症状、聴診所見、採血結果のほか、胸部X線や胸部CTといった画像検査を併せて行います。

症状がひどくなると、呼吸困難に陥ることもあるため、早期に診断、治療開始することをオススメします。

参考文献:
病気がみえるvol.4呼吸器P8・12・14
解剖学講義 改定2版P271〜280
第4版 イラスト解剖学P375〜378

最後に

肺の場所について実際のレントゲン画像、CT画像を用いて説明しました。

また、痛みが出る場合はどういう機序でどこに出るのかをまとめました。

  • 気管をはさみ、左右に存在する肺は、胸郭内にある
  • 肺は鎖骨の約2cm上から第6肋骨の高さあたりまである
  • 肺の病気では、長引く咳や喀痰などの呼吸器症状の他、胸膜に炎症や腫瘍が及ぶと胸痛を伴うことがある

 

場所が分かっていると、痛みが出た際にどこが原因なのか想像しやすくもありますね。

参考になれば幸いです( ͡° ͜ʖ ͡°)

スポンサーリンク

関連記事はこちら