十二指腸というと、何を思い浮かべるでしょう?

有名なところでいうと、十二指腸潰瘍という病名があります。

しかし、この十二指腸の場所が体のどこにあるのかご存知ですか?

胃の場所はなんとなくわかっても、この十二指腸の場所がピンとこない方、多いのではないでしょうか?

そこで今回は、十二指腸(英語表記で「duodenum」)について

  • 場所
  • 病気
  • 痛みが出る場所

などを図や実際のCT画像を用いてわかりやすく解説していきたいと思います。

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十二指腸の場所を図で解説!

口から食べたものは、喉頭→食道と通過した後、消化吸収をしながら

胃→十二指腸→空腸→回腸→結腸→直腸(→肛門)

へと進みます。

注意)
空腸と回腸を合わせたものが小腸です。
また結腸と直腸を合わせたものが大腸です。

医師
つまり胃と空腸の間が十二指腸です。

上の図のように胃の幽門輪からトライツ靭帯までが十二指腸ということになります。

そしてこの十二指腸の場所は、下の図のように「みぞおちの少し下から、右の上腹部から副部正中部にかけて」となります。

かなり右の方にあるんですね。
医師
そうですね。ただし下の方では、真ん中部分からやや左側にも及んでいます。

では次に、この十二指腸の場所を実際のCT画像で確認してみましょう。

十二指腸の場所をCT画像で確認!

60歳代男性の正常なCT画像(造影CT)を見ていきましょう。

腹部造影CTの横断像(輪切り)です。

胃に連続して(胃の後ろ側)十二指腸球部、さらには、それに連続して十二指腸下行部のある様子がわかります。

十二指腸の内側(向かって右側)には、膵臓があります。
一方外側(向かって左側)には、肝臓があります。

では少し下のレベルのスライス(画像)を見てみましょう。

より下のレベルでは十二指腸下行部〜水平部が見えます。

その内側(向かって左側)には膵臓が、後ろ側には下大静脈及び腹部大動脈があります。

さらに下のレベルを見てみましょう。

さらに下のレベルでは、十二指腸水平部〜上行部、さらには空腸に変わって行く様子がわかります。

  • 胃から十二指腸に変わる様子
  • 十二指腸の内側には膵臓がある様子
  • 十二指腸から空腸に変わる様子

が、よくおわかりいただけたのではないかと思います。

横断像(輪切り)ではなくて、前から見た様子である冠状断像の画像も見てみましょう。

腹部CTの冠状断像です。

これまで説明してきた図と同じ方向ですのでこちらの方が理解しやすいかもしれません。

  • 十二指腸が球部→下行部→水平部へと変わる全体の様子
  • 十二指腸の内側(向かって右側)に膵臓がある様子

がよくわかりますね。

膵臓の中を走る膵管の様子も見えます。

先ほどの画像よりも少し後ろ側(背側)の画像です。

十二指腸下行部の一部と上行部の一部、さらには十二指腸の上行部から空腸に変わる様子がわかります。

また、十二指腸の内側〜後ろ側に、下大静脈や腹部大動脈のある様子がわかります。

医師
では次に、十二指腸の場所がわかったところで、十二指腸の解剖や部位による分類について見ていきましょう。

十二指腸の解剖は?部位の分類は?

まず、十二指腸は球部・下行部・水平部・上行部の4つの部位に分けることができます。

 

個人差はありますが、球部は5cm程度・下行部は8cm程度・水平部は8cm程度・上行部は5cm程度の長さがあります。

つまり、全長は約25〜30cmほどあります。

「十二横指の長さ」の腸を意味(指を12本並べた長さ)しますが、これですと一つの指の横幅が2cmくらいで計算されておりかなり大きな指だと「十二横指の長さ」ということになりますね。

十二指腸は胆道系と消化管との架け橋

そして、十二指腸は、アルファベットでいうCの形をしており、Cのくぼみの部分に膵臓の頭部がはまり込みます。

上の図のように、このCのくぼみの部分にVater乳頭(ファーターにゅうとう)があり、胆管からの胆汁と膵からの膵液がここから十二指腸に流れます。

つまり、十二指腸は「胆管・膵管と消化管を結ぶ場所」ともいうことができます。

胆管や膵管に異常がある場合は、上部内視鏡(胃カメラ)でこのVater乳頭までカメラを進めてきて、逆行性(本来の胆汁や膵液の流れる方向とは逆)に胆管・膵管の様子を観察することができます。

この検査をERCPと言います。詳しくはこちらをご覧ください。→【まとめ】ERCPとは?検査の手順や合併症について

そんな重要な場所が十二指腸にはあるんですね。

十二指腸の大部分は後腹膜臓器

また、十二指腸の大部分は腹膜に表面を覆われ、後腹膜(こうふくまく)に接しているため、 下の図のように臓臓と共に腹膜後器官に含まれます。

後腹膜器官であるということは、後腹膜に固定されているということですので、基本的に場所が動くことはありません。

一方で、十二指腸の前後である胃や空腸は後腹膜臓器ではないので固定されておらず、動くことがあります。

後腹膜についてはこちらにまとめました。→後腹膜(こうふくまく)とは?

十二指腸の病気と痛みが出る場所は?

医師
まず、十二指腸の病気について説明します。

十二指腸の病気

十二指腸の病気というと、十二指腸潰瘍が最も有名ですが、それ以外にも

  • 十二指腸憩室
  • ブルンネル腺腫
  • 十二指腸がん肉腫

などがあります。

十二指腸潰瘍や憩室は、十二指腸の上部に好発します。

そして、ブルンネル腺腫や十二指腸がん肉腫は下行部に、上腸間膜十二指腸閉塞症は水平部に好発します。

実際そのような病気があると、どこに痛みが出るのでしょう? 

十二指腸の病気で痛みが出る場所

十二指腸の病気で痛みを起こす頻度が最も多いのは、やはり十二指腸潰瘍です。

上で述べたように十二指腸潰瘍の好発部位は球部であり、また胃潰瘍は十二指腸球部に近い胃角部で起こりやすい傾向があります。

ですので、これらはともに心窩部・(右)上腹部に痛みが現れます。

また、それ以外にも、腹部膨満感・悪心・嘔吐・胸焼け・食欲不振などの症状が現れることもあります。

しかし、初期には無症状なことがあったり、正確に十二指腸が問題と診断がつくまでに症状を繰り返すこともあります。

逆に十二指腸潰瘍が進行すると腸管が破れてしまう穿孔(せんこう)を起こすことがあり、この場合は腹膜炎を起こし広範で重篤な腹痛などの症状をきたします。

消化管に穴が開く消化管穿孔についてはこちらに詳しくまとめました。→消化管穿孔の原因や治療法は?CT画像で分かりやすく説明

参考文献:
病気がみえる vol.1:消化器 P82・83・102・132
消化器疾患ビジュアルブック P49〜51・60・61・86・87
解剖学講義 改定2版P349〜352
第4版 イラスト解剖学P326〜328

最後に

医師
今回の十二指腸の場所をまとめます。
  • 十二指腸は、胃から小腸へと続く細長い消化管の、胃側にある部分
  • 胃の下に位置し、膵臓が十二指腸にはまり込むように存在する
  • CT画像で見ると、胃に連続してその後ろ側に十二指腸球部、それに連続して十二指腸下行部がある
  • CT断面図で見ると、十二指腸の右には膵臓・左には肝臓がある
  • 腹部CTの冠状断像で見ると、十二指腸の内側〜後ろ側に、下大静脈や腹部大動脈がある
  • 十二指腸は「胆管・膵管と消化管を結ぶ場所」
  • 十二指腸は球部・下行部・水平部・上行部の4つの部位に分けることができる
  • 後腹膜に固定され、基本的に場所が動くことはない
  • 十二指腸の病気は、十二指腸潰瘍・十二指腸憩室・上腸間膜十二指腸閉塞症・ブルンネル腺腫・十二指腸がん肉腫などがある
  • 心窩部や上腹部に痛みが出る

 

十二指腸潰瘍は、ピロリ菌が原因でもあります。

痛みなどの異常が出る前に、一度検査をしておくことをオススメします。

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