耳鼻科のみならず、小児科や内科でも診断されることの多い副鼻腔炎(ふくびくうえん)

蓄膿症(ちくのうしょう)と言った方がピンと来られる方も多いかもしれません。

ところでこの副鼻腔(ふくびくう)はどこにあるのか、ご存知でしたか?

実は、副鼻腔は一箇所だけを指すものではなく、数カ所の部位が存在します。

そこで今回は、副鼻腔(ふくびくう、英語で「Paranasal sinus」)について、

  • そもそも副鼻腔とは何なのか?
  • 副鼻腔はどこにあるのか、その場所、CTにおける解剖
  • 副鼻腔に生じる病気

などを図や実際のCT画像を用いてわかりやすく解説していきたいと思います。

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副鼻腔とは?

そもそも鼻は、鼻腔と副鼻腔にわかれていて、副鼻腔は上の図のように、

  • 前頭洞(ぜんとうどう)
  • 蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)
  • 篩骨洞(しこつどう):前篩骨洞(ぜんしこつどう)・後篩骨洞(こうしこつどう)
  • 上顎洞(じょうがくどう)

という4種からなる空洞です。

医師
ちなみに鼻腔は・・・

鼻腔は、

  • 上鼻甲介
  • 中鼻甲介
  • 下鼻甲介

という3つの突出があり、それぞれ

  • 上鼻道
  • 中鼻道
  • 下鼻道

という空気の通り道へと続いています。

 

そして、この副鼻腔は鼻腔へと連なる空洞で、

  • 上顎洞・前頭洞・前篩骨洞は・・・・→中鼻道へ
  • 後篩骨洞・蝶形骨洞は・・・→上鼻道へ

と続いているのです。

鼻腔の解剖を実際のCT画像で確認して見ましょう。

冠状断像と言って前から見た図と考えてください。

鼻の奥はこのようになっています。鼻腔の位置がよくわかると思います。

そして、鼻腔の周りの黒いところ(低吸収のところ、空気を意味する)がこれから解説していく副鼻腔となります。

副鼻腔の場所はココ!

副鼻腔の場所は、先ほど説明しました、前頭洞・蝶形骨洞・篩骨洞・上顎洞・の4つの部位があります。

医師
それぞれ実際のCT画像を見ながらわけて場所を解説しますね。

前頭洞(ぜんとうどう)

前頭骨の内部、つまり鼻を上になぞった目の上あたり、額のあたりにあります。

下のCT画像は横断像(輪切り)です。

前頭洞の解剖はおでこの中であることがわかりますね。

 

医師
次に蝶形骨洞です。

蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)

蝶形骨洞は、蝶形骨と呼ばれる骨の付近、後篩骨洞のさらに奥側付近、蝶篩陥凹部分にあります。

これまで同様下のCT画像は左側が横断像(輪切り)、右側が冠状断像(前から見た図と考えてください)です。

蝶形骨洞の解剖は、副鼻腔の中でもっとも奥であることがわかりますね。

医師
続いて篩骨洞です。

篩骨洞(しこつどう)

篩骨(蜂巣)付近、目頭の内側で鼻に沿った部分にあり、目側にあるものを前篩骨洞奥側にあるものを後篩骨洞といいます。

下のCT画像は左側が横断像(輪切り)、右側が冠状断像(前から見た図と考えてください)です。

篩骨洞の解剖は鼻の付け根あたりの後ろ側とわかりますね。

上顎洞(じょうがくどう)

上顎骨付近、つまりは小鼻の左右両側頰(ほほ)の下付近に位置します。

下のCT画像は左側が横断像(輪切り)、右側が冠状断像(前から見た図と考えてください)です。

上顎洞の解剖の様子がわかりますね。

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医師
では副鼻腔の場所がわかったところで、ここにはどのような病気が発生するのかを次に見ていきましょう。

副鼻腔の病気はどんなものがある?

副鼻腔で生じうる病気には

  • 副鼻腔炎
  • 副鼻腔気管支症候群(SBS)
  • 副鼻腔腫瘍

などがあります。

医師
それぞれについて、解説します。

副鼻腔炎

副鼻腔炎というのが最もよく耳にする疾患でしょう。

ウイルスや細菌(アレルギーや喘息も関係する)などによって副鼻腔に炎症が起こる疾患(急性副鼻腔炎)で、これが長期化(慢性化)して膿が溜まってしまうとさらに状態が悪化した慢性副鼻腔炎(蓄膿症のこと)となります。

副鼻腔炎の場合、痛みはあるのですか?

慢性副鼻腔炎になると、上顎洞付近の圧痛を認めます。

「頰が痛い」「目の下が痛い」「顔が痛い」と訴える方が多くいます。

医師
副鼻腔炎について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

また、この副鼻腔炎には

  • 歯性上顎洞炎(虫歯が原因でなるもので、悪臭の強い粘液が鼻汁として出る)
  • 副鼻腔真菌症(アスペルギルスなどの真菌が原因で起こり、乾酪性副鼻腔炎ともいう)
  • 新生児副鼻腔炎(上顎骨髄膜炎に近い病像となり、腫瘍を作り、頰部腫脹や眼球突出をきたす)

などといった特殊な副鼻腔炎もあります。

副鼻腔気管支症候群(SBS)

慢性気管支炎・気管支拡張症・びまん性汎細気管支炎(DPB)など、慢性下気道炎症に慢性副鼻腔炎を合併したものです。

呼吸器症状や慢性副鼻腔炎症状を伴い、先天的な異常が原因としてあるといわれています。

医師
詳しくは、こちらをご覧下さい。

副鼻腔気管支症候群(SBS)についてはこちら→ 副鼻腔気管支症候群(SBS)とは?副鼻腔炎に気管支炎を合併? 

副鼻腔腫瘍

副鼻腔にできる腫瘍は、良性と悪性があり、悪性=癌です。

腫瘍は小さいうちは、無症状なことも多いものの、鼻が圧迫されるため、鼻づまり・鼻漏・鼻血などの症状に悩まされます。

ただし、見た目には鼻茸(鼻ポリープ)との鑑別が難しく、詳しい検査が必要です。

 

参考文献:
解剖学講義 改定2版P582〜585
第4版 イラスト解剖学P133・134
100%耳鼻咽喉科 国試マニュアル 改訂第4版P81・82・95〜98
STEP SERIES 耳鼻咽喉科 第3版P109・110
耳鼻咽喉科疾患 ビジュアルブックP23

最後に

副鼻腔について、ポイントをまとめます。

  • 副鼻腔は、上顎洞・前頭洞・篩骨洞・蝶形骨洞からなる空洞
  • 上顎洞の場所は、小鼻の左右両側
  • 前頭洞の場所は、目の上・おでこの中あたり
  • 篩骨洞の場所は、目頭の内側
  • 蝶形骨洞の場所は、後篩骨洞のさらに奥
  • 副鼻腔の病気は、副鼻腔炎・副鼻腔気管支症候群・副鼻腔腫瘍などがある

 

副鼻腔の場所・解剖について1つ1つまとめました。

副鼻腔の病気になると、初期のうちは痛みなどを伴うことはなくても、悪化したり慢性化することで、部位に応じた場所が痛むことがあります。

そのため、しっかり治療をすることが大切です。

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