女性の生殖器の一つである卵巣(らんそう)

 

卵巣は卵子のもととなる卵細胞を維持し成熟させ、その後排卵させ精子と受精し、着床することにより妊娠が成立する重要な役目を担う臓器です。

しかし、この卵巣に病気などの問題が生じると、妊娠にも支障を生じる(不妊)こともあります。

そのため、卵巣の病気の際に、痛みがどこに出るのか知っておきたいですよね。

この卵巣が体のどこに位置するのか、ご存知ですか?

そこで今回は、卵巣(英語表記で「ovary」)の

  • 場所(位置)
  • 病気
  • 病気で痛みが出る場所

について、図(イラスト)や実際のMRIの画像を用いて、わかりやすく解説したいと思います。

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卵巣の場所は?

卵巣は下腹部に左右2つ存在します。

子宮の位置が骨盤(骨盤腔)のほぼ中央・膀胱の後ろ・直腸の前なので、卵巣の場所は、その子宮の両側少し後上方と考えていただくとわかりやすいかと思います。

大まかに、卵巣は「子宮の左右に位置する」と覚えておけば良いでしょう。

医師
次に、実際のMRI画像を用いて卵巣の場所をみてみましょう。
症例 20歳代 女性 スクリーニング

MRIのT2強調像と呼ばれる撮像方法で撮影した横断像(輪切り)です。

骨盤内(両側の腸骨の間に)で、子宮の両側に少し離れて卵巣があることがわかります。
卵巣の中に見える小さな○は卵胞です。
また子宮の後ろ側(背側)にはS状結腸や直腸があることが確認できます。

(ちなみに子宮に見える小さな黒い点(低信号)は小さな子宮筋腫です。)

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医師
卵巣の場所がわかったところで、次に卵巣の解剖・特徴について見ていきましょう。

卵巣の解剖・特徴は?

上の図のように、子宮から卵管に続いて進んだ先に卵巣があります。

卵巣の大きさは、長さ約3cm・幅約1.5cm・厚さ約1cm・重さ4〜10gで、母指頭大の扁平楕円体状です。

卵巣の表面は腹膜に覆われ、その下には膠原繊維に富む白膜があり、実質を包んでいます。

また、卵巣の実質は皮質と髄質からなりますが、卵子は皮質で生産されます。

卵巣は卵胞を発育させ、卵子の生成・成熟・排卵を行う女性特有の生殖器官です。

この卵子があることで、精子と結びつき着床、妊娠にいたることが可能となっています。

医師
次に卵巣の病気にはどのようなものがあり、その場合どこに痛みが生じるのかについて見ていきましょう。

卵巣の病気は?

卵巣に生じる病気には、

などがあります。

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卵巣の病気で痛みが出る場所は?

 

卵巣の病気で痛みが出る場所は、下腹部や腰です。

基本的に、問題のある左右どちらかに、痛みの偏りがあります。

つまり、左の卵巣に病気がある場合は、左下腹部痛、逆だと右下腹部痛ということですね。
症例 20歳代女性 右下腹部痛

MRIの脂肪抑制T1強調像の横断像です。

ちょっとややこしいですが、白く見えるのは出血を示唆します。

右側に優位な両側の卵巣チョコレート嚢胞と診断されました。

 

また、卵巣の病気における腹痛・腰痛以外の症状としては、

  • 月経異常(生理過多・無月経)
  • 腹部膨満
  • 消化器症状
  • 頻尿
  • 肥満
  • 肌荒れ(吹き出物の増加)
  • 疲労感
  • イライラ(精神不安定)

など、ホルモンバランスに変化が現れることもあります。

しかし、卵巣がんなどでは、初期症状が乏しいため気づかれにくいことが多く、痛み以外の気になる症状がある際なども一度婦人科で検査してみることをオススメします。

参考文献:
解剖学講義P452〜454
イラスト解剖学P410 
病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科 第3版P2〜7・170

最後に

医師
今回の、卵巣の場所について、ポイントをまとめます。
  • 卵巣は子宮の左右に1つずつ存在する。
  • 卵巣は、母指頭大の扁平楕円体状
  • 卵巣の病気で痛みが出るのは、下腹部の左右どちらか問題のある側

 

卵巣は、病気の初期には痛みなどの症状が出にくいこともあります。

そのため、月経異常など、今までと違った気になる症状がある場合、婦人科で詳しい検査を受けることをオススメします。

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