表情筋(ひょうじょうきん)と呼ばれる筋肉があります。

その名の通り表情を作ることに関連する筋肉群です。

筋肉群ですので、単体の筋肉ではなく、たくさん数の種類があります。

そこで今回は表情筋(英語表記で「Facial muscles」)について

  • そもそも表情筋とは
  • 表情筋の種類・数
  • 表情筋の支配神経
  • 表情筋に起こる問題

について、イラストを用いて解説しました。

 

表情筋とは?

人は喜怒哀楽を表情で示すことができますが、それは顔面・頭・頸部に表情筋があるからです。

表情筋は皮筋が収縮することにより、皮膚を動かし、皮膚にシワやくぼみを作ったりします。

しかし、それだけではなく

  • 眼の開閉
  • 口の開閉
  • 鼻の開閉
  • 飲む
  • 食べる
  • 吹く
  • 喋る

などの動きにも関連するのです。

笑顔を作りすぎるとピクピク筋肉痛みたいになるけど、それもこの表情筋が関連するのね。

そうですね。

そしてリラックスしている時の顔は締まらない・・・というように、筋肉が緩むと表情も無になりますよね。

ですが、すべてが動きに関わっているわけではなく、中には直接動きには関わらない筋もあります。

表情筋の種類とは?

表情筋でも、動きに関わるものと関わらないものがあるというと、それなりに種類があるのよね?
表情筋の種類として代表的なものを、いくつか説明しますね。

頭蓋冠表面の筋

表情筋の種類

  • 後頭・前頭筋・・・後頭骨の外後頭隆起の左右両側から扁平な広い腱膜となり、頭蓋骨を被い、前方で筋となり眉と眉間の皮膚につく
  • 側頭頭頂筋・・・耳介の情報から帽状腱膜につく
  • 咀嚼筋・・・頭部の深部にあり、咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋からなる

耳介周囲の筋

表情筋の種類

  • 耳介筋(上耳介筋・前耳介筋・後耳介筋)・・・一般的に動かすことはできない

眼裂周囲の筋

表情筋の種類

  • 眼輪筋(眼窩部・眼瞼部)・・・眼瞼裂を輪状に取り囲み、眼の開閉に関わる
  • 皺眉筋・・・眉間から外上方に斜走し、眉の皮膚につき、眉を内下方に引き寄せ左右の眉を近づけ縦じわを生じる

外鼻周囲の筋

表情筋の種類

  • 鼻筋(横部・鼻翼部)・・・鼻の両側で上顎筋から鼻に至る退化的な筋で、鼻孔を広げたりする
  • 鼻中隔下制筋・・・鼻筋の鼻翼部内側部が独立してできる筋で、鼻孔を広げる

口裂周囲の筋

表情筋の種類

  • 口輪筋・・・口の周りの筋で、口の開閉の他、前方に突き出したり広げたりできる
  • 上唇鼻翼筋・・・内眼角部の骨から上唇と鼻翼の皮膚につく
  • 上唇挙筋・・・眼窩下縁の下方から上唇皮膚につく
  • 小頰骨筋・大頰骨筋・・・頬骨から上唇、口角につく
  • 口角挙筋・・・上顎骨の犬歯窩から口角の皮膚につく
  • 口角下制筋・・・下顎体の下縁・広頚筋から口角の皮膚につく広い扁平な筋で、口角を内下方に下げる
  • 下唇下制筋・・・下顎骨の前面オトガイ孔付近から上方に走り、下唇の皮膚につき、下唇を外下方にひく
  • オトガイ筋・・・下顎体の前面からオトガイの皮膚につく
  • 頰筋・・・他の顔面筋より深い場所にあり、頰の粘膜に接して頰部を作る筋

があります。

さらに、そのほかにも、

  • 浅頚筋・・・頚部の浅層にある筋で、広頚筋・胸鎖乳突筋からなる
  • 前頚筋・・・舌骨上筋と舌骨下筋にわけられる
  • 顎二腹筋・・・中間腱によって後腹と前腹にわけられ、舌骨を引き上げたり、下顎を後下方にひく
  • 茎突舌骨筋・・・茎状突起から舌骨大角につく細長い筋
  • 顎舌骨筋・・・下顎体の内面から内方に向かって水平に走る板状の筋
  • オトガイ筋・・・顎舌骨筋のすぐ上で正中線の両側を前後に走る細長い筋
  • 舌骨下筋・・・喉頭、気管、甲状腺の表側にある
  • 胸骨舌骨筋・・・胸骨柄の内面、胸鎖関節、胸骨端後面から舌骨体につく
  • 肩甲舌骨筋・・・下腹・上腹の2腹からなる、中間腱で結ばれてできる筋
  • 胸骨甲状筋・・・胸骨舌骨筋の深側にある
  • 甲状舌骨筋・・・甲状軟骨の外側から舌骨の体と大角につく
  • 後頚筋・・・椎前筋群と斜角筋群に大別できる

など、表情筋にはなんと全部で30種類以上があります1)

表情筋を支配する神経とは?

表情筋は発生学的に第2鰓弓の中胚葉と呼ばれる部位から発生する筋肉です。

鰓弓についてはこちらにまとめました。→【図解】鰓弓とは?どんな筋肉を形成し、その支配神経は?

そして、この第2鰓弓を支配する神経は、脳神経の一つである顔面神経(Ⅶ)です。

 

顔面神経(Ⅶ)は図のように顔面の中を走行し、顔面筋の運動を支配する神経です。

ですので、顔面神経に何らかの問題が生じると、表情筋を思い通りにコントロールできなくなります。

有名な顔面神経麻痺はその一つです。

表情筋に障害を来す疾患は顔面神経麻痺以外にはどんなものがあるのでしょうか?次にみていきましょう。

表情筋に生じる問題や病気は?

表情筋に障害を起こす原因には、

  • 顔面神経麻痺
  • 三叉神経痛
  • 眼瞼下垂
  • 顔面痙攣
  • 重症筋無力症

などがあります。

これらは、表情が変えられない、ピクピクと痙攣する、痛いなどの症状を伴います。

 

参考書籍:
1)解剖学講義 改定2版P522〜537
第9版 イラスト解剖学P197〜199・657

最後に

今回は表情筋についてまとめました。

大まかなポイントは、

  • 顔面・頭・頚部にある筋肉の総称を表情筋という
  • 表情筋は30種類以上あり、動きに関わるものと関わらないものがある
  • 表情筋はすべて顔面神経の支配を受けている
  • 表情筋の問題として、麻痺や痙攣など、さまざまある

と言う点です。

表情を作るのにはたくさんの筋肉が関与していることがわかりましたね。

参考になれば幸いです!!!

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