手の指を見ると、ゴツゴツとして、骨がしっかりあるのがわかりますが、その名前までわかるという方はなかなか少ないですよね。
指は5本ですが、手にはたくさんの骨があります。
「手の指って合計、いくつの骨があるのだろうか?」
そんな疑問を持つ方もおられると思います。
今回は、手の指の骨について
- 骨の名前
- 関節の名前
- 痛い場合
- 変形する場合
など、図とともに解説していきたいと思います。
指の骨の名前を図で解説
手は、たくさんの骨(指節骨・中手骨・手根骨・橈骨・尺骨の遠位端)と関節からなります。
親指を1とすると、
- 付け根側を中手骨(読み方は「ちゅうしゅこつ」、英語でMetacarpal bone)
- その上を基節骨(読み方は「きせつこつ」、英語でDistal phalanx bone)
- 指先を末節骨(読み方は「まっせつこつ」、英語でDistal phalanx bone)
といいます。
しかし、手指(指節骨)のうち2指節しかないのは親指だけ。
示指(人差し指)・中指・環指(薬指)・小指には3指節あるのです。
そのため、2(示指)〜5(小指)は
- 基節骨と末節骨の間に、中節骨(読み方は「ちゅうせつこつ」、英語でMidle phalanx)
があります。
指の骨が作る関節の名前・略語は?
ちなみに、その3指節は上の図のように
- DIP関節(「遠位指節間関節」、英語表記で「distal interphalangeal joint」)・・・中手骨と基節骨の間
- PIP関節(「近位指節間関節」、英語表記で「proximal interpharangeal joint 」)・・・基節骨と中節骨の間
- MP関節(「中手指節関節」、英語表記で「metacarpophalangeal joint」)・・・中節骨と末節骨の間
と、母指の2指節を
- IP関節(「指節間関節」、英語表記で「interphalangeal joint 」)・・・基節骨と末節骨の間
- MP関節(中手指節間関節)・・・中手骨と基節骨の間
といいます。
指の骨が痛い!どんな病気の可能性がある?
指の骨に痛みがある場合、
などの疾患が原因として考えられます。
指の骨が変形する病気は?
- 関節リウマチ・・・(指の関節が対称的に腫れる)
- ブシャール結節・・・(第二関節に変形)
- ボタン穴変形・・・(第二関節に変形)
- 白鳥の首(スワンネック)変形・・・(第一関節に変形)
- ヒッチハイカー変形・・・(親指がヒッチハイクするときに合図する指の形に変形)
参考文献:
病気がみえる vol.11 運動器・整形外科P128〜131
整形外科疾患ビジュアルブック P20・21
解剖学講義 改定2版P61〜63
第9版 イラスト解剖学P121
year note 2006 P696・928
最後に
ポイントをまとめます。
- 付け根側を中手骨、その上を基節骨、その上を中節指、指先を末節骨という
- 親指は、中節指がなく、2指節しかない
- 指に痛みが出るのは、骨折・ばね指・ひょう疽・神経圧迫・痛風関節症・ガングリオン・手根管症候群・糖尿病性神経障害・関節リウマチ・変形性関節症・関節症・自律神経失調症などがある
- 指が変形するのは、関節リウマチ・ヘバーデン結節・ブシャール結節・ボタン穴変形・白鳥の首(スワンネック)変形・ヒッチハイカー変形などがある
手には正中神経・尺骨神経・橈骨神経が通っており、指先に至るまで運動や感覚を支配しています。
そのため、痛みや変形の他にもしびれなどが伴う場合も原因を突き止めるべく、検査をしたほうがいいでしょう。