MRIの画像所見で使われる用語に、骨挫傷(こつざしょう)というものがあります。

この骨挫傷は骨折とは異なり、レントゲンやCTではわからないものです。

今回は、骨挫傷(英語表記で「Bone bruise」)について

  • 症状
  • 原因
  • 診断
  • 治療

などについて、実際のMRI画像を用いて解説したいと思います。

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骨挫傷とは?

外傷や関節同士の衝突などにより、骨の骨梁に生じた微細骨折を骨挫傷(bone bruise)と言います。

骨髄の浮腫や出血を伴うことが多く、レントゲンやCTでは描出ができず、MRIでのみ描出が可能です。

ですので、MRI装置の普及により認識されるようになった概念と言えます。

一方骨折の場合、レントゲンやCTでも描出されます。

ですので、骨折には至らない微細な骨折が骨挫傷です。

骨挫傷の原因は?

  • 転倒・事故・スポーツによる外傷
  • 関節同士の衝突

など、外部からの衝撃を受けたことによって多く起こります。

事故では、車の衝突により、ダッシュボードで膝をぶつけて起こるケースが多くあります。

その場合、事故後すぐの検査ではMRIを撮影されなければ、異常所見として見つかりません。

通常外傷ではまずレントゲンが撮影されて、MRIまではなかなか撮影されません。

またこれ以外の原因では、関節で骨同士がぶつかって起こるものもあり、その際は、関節軟部で多く見られます。

骨挫傷の症状は?

  • 痛み
  • 腫脹
  • 熱感

などがあります。

見た目に傷はないものの、痛みが長く続くという特徴があります。

そのため患者は、ある原因によって続く痛みを訴え、受診します。

中には、圧痛はないものの、重荷がかかると痛みが増すといった症状もあります。

骨挫傷の診断は?

画像診断によって診断しますが、骨折ではないため、レントゲンやCTでは確認できません

その場合、どうやって診断されるんですか?

診断にはMRIが有用で、わずかな骨髄浮腫や出血が確認できます。

骨挫傷のMRI所見は?

そのMRIでは、

  • T1強調像で低信号
  • T2強調像で等〜高信号
  • STIR像・脂肪抑制T2強調像で明瞭な高信号

となります。

しかし転位のない骨折との鑑別が難しいこともあります。

この画像所見は、通常数ヶ月ほどで消失します。

症例 70歳代 男性  左膝の痛み

左膝関節のレントゲンです。

内側顆に骨棘の形成及び関節裂隙の狭小化を認めていますが、骨折は認めていません。

これをMRIを撮影すると上のようになります。

大腿骨の遠位端の内側顆にSTIRの冠状断像で骨髄浮腫を疑う著明な高信号(白い)を認めています。

T2スター強調像ではほぼ周りと同じ信号強度です。

T1強調像の矢状断像では、一部に低信号を認めています。

(また内側半月板に断裂を認めています。)

変形性膝関節症による骨挫傷と診断されました。

医師
骨挫傷を起こしている部位のレントゲンを見返してみても、レントゲンでは所見は認めませんね。
症例 70歳代 女性 左膝痛

こちらの症例でもレントゲンでは、変形性膝関節症を疑う所見を認めていますが、骨折ははっきりしません。

ところが、MRIをみてみるとSTIRでは、大腿骨及び脛骨の近位に著明な骨髄浮腫を疑う高信号を認めています。

こちらも、変形性膝関節症による骨挫傷と診断されました。

症例 10歳代 男性 スポーツ外傷

STIRの冠状断像です。

右の恥骨に異常な高信号を認めています。

骨髄浮腫を示唆する所見であり、外傷による右恥骨の骨挫傷と診断されました。

骨挫傷の治療は?

安静が一番の治療となります。

  • 松葉杖
  • サポーター
  • テーピング

など、局所に負担をかけないことが重要です。

そして、痛みが落ち着いてきたら、医師と相談しながら、徐々にリハビリを開始します。

治療期間や、患者の年齢や程度によっても異なります。

基本的には数ヶ月でMRIにおいても確認できないほどになります。

しかし、骨折したわけではないからと、ムリして動かすと、症状が長引いてしまうこともあります。

安静が一番の治療となるので、日常生活に差し支える場合等には、医療機関で相談し、固定してもらうのも方法でしょう。

参考文献:全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P180・218
参考文献:骨軟部疾患の画像診断 第2版P92・93

最後に

  • 骨挫傷は、骨の骨梁に生じた微細骨折
  • 外部からの衝撃・関節で骨同士がぶつかったことが原因となる
  • 外傷後、いつまでたっても痛みが取れないという症状がある
  • レントゲンやCT検査では確認できない
  • MRI検査の特にSTIRや脂肪抑制T2強調像で骨髄浮腫を確認できる
  • 局部を安静にして回復を待つ

 

何より、安静と時間の経過が症状改善につながります。

参考になれば幸いです。

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