ヘルニアの中でも患者数の多い部位といえば、腰に痛みを感じる、腰椎椎間板ヘルニアを思い浮かべることが多いでしょう。

しかし、腰椎椎間板ヘルニアになぜなるのか、原因はご存知でしょうか?

痛みが強くなると、日常生活にも差し支えが出る疾患ですし、治療法も詳しく知りたいところです。

そこで今回は、そんな腰椎椎間板ヘルニアについて分かりやすくご説明すべく、画像を交えながら

  • 原因
  • 症状
  • 診断
  • 治療(手術)
  • 入院期間

について、ご説明したいと思います。

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腰椎椎間板ヘルニアとは?

背骨は、椎骨という24個の骨から構成されており、その椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションの役割をする軟骨が存在します。

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎部分の椎間板の線維輪に生じた亀裂から、髄核が突出(脱出)した状態です。

その突出(脱出)をヘルニアといい、ヘルニアが神経を指揮を圧迫することで、症状を来たします。

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腰椎椎間板ヘルニアの原因は?

椎間板の変性を基盤とし(椎間板の老化のことで、高齢者だけでなく、10歳代後半から始まる)

  • スポーツ
  • 労働
  • 外傷

など、無理な負荷が腰に加わりすぎることによって発症するケースが多くあります。

その他には、

  • 遺伝要因
  • 加齢

など、遺伝性の関与や加齢による要素も指摘されており、また、喫煙は増悪因子となります。

椎間板ヘルニアも含まれる変形性脊椎症についてはこちらにまとめました。→変形性脊椎症とは?4つに分けて図で徹底解説! 

腰椎椎間板ヘルニアの症状は?

  • 腰痛
  • 下肢痛
  • しびれ
  • 下肢の筋力低下
  • 感覚障害
  • 歩行障害
  • 膀胱直腸障害

などが挙げられます。

特に多くみられるのが、激しい腰痛で、姿勢や歩行などでその痛みが増強され、日常生活にも支障をきたします。

医師
また、ヘルニアが発生した部位によって神経脱落症状が異なります。

神経脱落症状

腰椎椎間板は、

  • 第一腰椎/L1
  • 第二腰椎/L2
  • 第三腰椎/L3
  • 第四腰椎/L4
  • 第五腰椎L5
  • L5/S
  • 仙骨

というように、構成されています。

医師
症状は、発生部位により異なります。

約80%以上で、L4/5(第四~五腰椎)・L5/S(第五~仙骨間)に発生します。

全体的に見ると、10歳代の若年層では脊髄症状が強く出る特徴にあり、20〜40歳代では下肢症状が強く、高齢者層では安静時には痛みは軽減されるものの、歩行などにより下肢症状を起こし、脊柱管狭窄症による間欠跛行が主症状となることが多くあります。

頚椎の神経根症・脊髄症についてはこちらにまとめました→頚椎症性神経根症・脊髄症とは?症状は?MRI画像と図を用いて解説!

腰椎椎間板ヘルニアの診断は?

誘発テストや画像検査によって診断されます。

誘発テスト

神経刺激症状の誘発テストとして、

  • SLR(下肢伸展挙上)テスト・・・陽性であれば、L5〜S1根のヘルニアの疑い
  • FNS(大腿神経伸展)テスト・・・陽性であれば、L4根より上位のヘルニアの疑い

などを行い、神経脱落症状(麻痺症状)を確認します。

医師
SLRテストはこちら。

画像検査

  • 単純X線検査
  • MRI検査
  • 脊髄造影
  • 椎間板造影
  • 神経根造影

などを行います。

椎間板の突出(脱出)、神経圧迫を確認します。

症例 40歳代 男性 MRI検査

L2/3~L5/S1において椎間板の変性を認めています。
L4/5を中心に後方への膨隆を認めており、脊柱管の狭窄を認めています。
L4/5では神経孔型の椎間板ヘルニアを認めています。

医師
ヘルニアの診断には、以下のような診断基準があります。

診断基準

日本整形外科学会ガイドライン策定委員会の定める診断基準は、以下の通りです。

  1. 腰痛や下肢痛がある
  2. 安静時にも症状がある
  3. SLRテスト→70°以下陽性(高齢者は絶対条件でない)
  4. MRIなどの画像所見で、椎間板の突出が見られ、脊柱管狭窄所見を合併していない
  5. 症状と画像所見が一致する

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腰椎椎間板ヘルニアの治療は?

保存療法と手術療法があります。

保存療法

  • 安静
  • 腰椎コルセット装着
  • 腰部牽引
  • 温熱療法
  • 低周波療法
  • 超音波療法
  • 電気刺激
  • 腰部マッサージ
  • 薬物療法
  • 硬膜外ブロック

などがありますが、薬物療法の薬として、NSAIDs・神経障害性疼痛治療薬・筋弛弛薬などが選択されます。

手術療法

手術適応基準として、重い神経症状がある場合には、早期に手術が選択されますが、保存療法を行っても改善されない場合にも、手術が検討されます。

手術は、髄核摘出術(直視下・顕微鏡下・内視鏡視下)や脊柱固定術、椎間板減圧術などがあります。

ヘルニア摘出術(髄核摘出術)として、LOVE療法(腰部を10cm程度切開し、直視下で行うもの)が基本となります。

椎間板減圧術では、レーザーで行うPLDDがあります。

腰椎椎間板ヘルニアの手術をしたら入院期間はどれくらい?

入院期間は、手術方法や患者の状態によっても異なります。

  • 切開して行う従来の手術(LOVE療法)などは、1ヶ月前後の入院期間
  • 内視鏡手術は1週間程度
  • レーザー手術は半日から1泊ほど

となっております。

しかし、高齢者になると、筋力回復のためのリハビリも必要になることもあるため、さらに延びることもあります。

参考文献:
整形外科疾患ビジュアルブック  P324・325

全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P274~277

最後に

  • 腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎部分の椎間板の線維輪に生じた亀裂から、髄核が突出(脱出)した疾患
  • 椎間板の変性を基盤とし、労働・スポーツ・外傷などが原因となる
  • 遺伝や加齢も関係する
  • 腰痛・下肢痛・しびれなどが主症状
  • 誘発テストや画像検査によって診断される
  • 保村療法で治らなければ、手術が検討される

 

保存療法を行い、約80%は軽快すると言われています。

しかし、中には手術を行っても再発する場合もあり、なぜ腰椎椎間板ヘルニアになっているのか、その原因を突き止めることも大切です。

中には無理な負荷、体の歪みなどがある場合もあるので、根本的な改善のために日常動作や姿勢の見直しをすることも必要となります。

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