足の指に起こる感覚障害の1つに、モートン病(英語表記で「Morton’s neuroma」)というものがあります。

あまり聞きなれない病態のため、ご存知ない方も多いでしょう。

何が原因で起こるのか?

どのような症状が出現するのか?

治るのか?

など、気になってきます。

そこで今回は、このモートン病について

  • 原因
  • 症状
  • 診断
  • 治療

などをまとめました。

参考になさってください。

モートン病とは?

足の裏の第3〜4足趾間(ついで第2〜3足趾間)に神経の変性と神経の周囲に線維性肥厚を起こし神経症状が出現する疾患を、モートン病といいます。

神経の変性・周囲肥厚であるために「モートン神経腫」と呼ばれることもあります。

ハイヒールなどの足に合わない靴が原因の一つと考えられています。

中年以降の女性に、好発する病態です。

モートン病の原因は?

MP神経(足趾節関節)での圧迫により、深横中足靭帯という骨と骨との間にある靭帯が、地面との間で神経圧迫されることにより、起こりやすくなります。

医師
特徴的な原因動作として、以下のようなものがあります。
  • 中腰の作業
  • ハイヒールの常用
  • 長時間の爪先立ち
  • 槌趾変形(つちゆび)

などが原因となります。

圧迫されている部分の近くには、仮性神経腫という痛みの出る神経腫が形成されます。

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モートン病の症状は?

足の指(とくに第3〜4足趾間)に、

  • 痺れ
  • 疼痛
  • 灼熱痛

などが現れます。

とくに体重をかけると焼けるような痛みがあることから灼熱痛と呼ばれます。

この痛みが、下腿にまで響くこともあります。

モートン病の診断は?

何科を受診したら良いのでしょう?

整形外科にて、診察で足趾間の感覚障害やティネル徴候などを確認します。

また検査としては、

  • MRI検査
  • 神経検査
  • X線検査
  • 超音波検査

などを必要に応じて行い、診断します。

MRI検査では、T1強調像で低信号、T2強調像で脂肪と比較して(等〜)低信号の腫瘤として認められます。

線維成分を含むためT2強調像では低信号傾向となりますが線維化の程度により幅があります。

また中足骨の間に滑液包炎を伴うことが多いとされています。

場所が非常に特徴的なので、画像診断で診断が可能な病気ととして有名です。

また中には、Metatarsalgia(第2〜4MTP関節周囲に痛みを生じる)とモートン病を併発することもあります。

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モートン病の治療は?

保存療法もしくは、手術療法が選択されます。

医師
それぞれに分けて説明します。

保存療法

  • 局所安静
  • ハイヒール禁止
  • 足底挿板の使用
  • 薬物療法
  • 神経ブロック療法

などが治療法としてあります。

中腰の作業など、何かしらの体勢が原因の場合は、作業肢位の変更も必要です。

病院からは、湿布薬を処方されることもあります。

中には、一度改善しても、同じ原因によって再び症状が現れることもあるため、靴や体勢などに注意することも必要です。

モートン病対策として、ならないためのインソールも販売されています。

モートン病対策インソール

ハイヒールの中に、敷けるいわば中敷です。

足裏の当たる部分が計算され、作られています。

価格:1,525円

医師
どうしてもハイヒールが必要な場合は、このようなグッズを利用するのもオススメです。

しかし、この保存方法を行い、3ヶ月以上経過しても症状が改善しない場合、手術が必要となることもあります。

手術療法

手術方法として、

  • 神経剥離術
  • 神経腫摘出術
  • 深横中足靭帯切離術

などが選択されます。

参考文献:
骨軟部疾患の画像診断 第2版 P127
整形外科疾患ビジュアルブック  P397

全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P165

最後に

  • モートン病は、足の裏の第3〜4足趾間に神経症状が出現する疾患
  • ハイヒールや長時間の爪先立ちなど、深横中足靭帯が、地面との間で神経圧迫されることで起こる
  • 痺れ・疼痛・灼熱痛が起こる
  • 臨床所見や必要に応じて、画像検査を行い診断する
  • 保存療法を行い、3ヶ月経過しても改善しなければ、手術療法を検討する

 

OLにとって、ハイヒールは必需品ともいえますが、症状を我慢し続けると、痛みがひどくなるばかりです。

気になる症状がある場合は、早めに病院で相談し、足に負担のかからない靴に変更しましょう。

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