この世に誕生し、腕に収まるほどだった小さな体が徐々に大きくなり、いつの間にか一人で歩くようになり、それが思春期を過ぎると親と変わらないほどに成長していきます。

体重の増加はもちろんのこと、あの小さく細かった骨自体も驚くほどに成長していきます。

よくよく考えてみれば、どうやって成長するのか?

とても不思議なことですよね。

今回は、そんな人間の骨の成長について

  • 骨の構造
  • 仕組み
  • いつまで

など、気になる骨のことをご説明していきたいと思います。

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人間の骨の構造は?

まず、人間の骨は顔や頭に当たる部分から足先まで以下のような構造になっています。

骨は内臓を守るようにして形成され、体を支えたり、動作を担う運動器の中核となっています。

骨は長管骨・短骨・扁平骨・種子骨などに分類されます。

長管骨とは四肢を形成する骨で、扁平骨は骨盤や肩甲骨などを形成する骨です。

骨の成長を理解するには、長管骨で考えると分かり易いので、次に長管骨の構造を見てみましょう。

長管骨の構造

長管骨は下の図(イラスト)のように、

  • 海綿骨(梁状の網目構造の骨)
  • 皮質骨(硬くて緻密な骨)
  • 成長軟骨板(成長過程の子供の場合)
  • 関節軟骨
  • 真髄腔

から構成されます。

長管骨は四股を構成する長い骨ですが、骨幹部(骨の中心)は厚い皮質骨に囲まれ、内部は網目状の小柱構造を持つ海綿骨になっています。

医師
さらに長管骨はその部位により以下のように呼ばれます。

このイラストのように、端の部分を

  • 骨端部(骨の端に当たる部位。)
  • 骨幹端部(骨の端と幹の間の部位。)
  • 骨幹部(骨の中心の幹に当たる部位。)

というように分けられます。

そして、骨端部と骨幹端部の間付近に成長軟骨板があり、骨端線を形成しています。

この骨端線は骨の長軸方向の成長に重要な役割を果たします。

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骨の成長に関与する細胞は?

骨の組織は

  • 骨芽細胞(こつがさいぼう)
  • 破骨細胞(はこつさいぼう)
  • 骨細胞

上記に加え、細胞成分間をつなぐ細胞外基質である骨基質によって形成されています。

医師
それぞれについてご説明します。

骨芽細胞

コラーゲンやブロテオグリガンなどの基質蛋白質を分泌してリン酸カルシウムが沈着すると骨基質となり、形成された骨基質に吸収されて骨細胞となります。

簡単に言うと、骨を作る細胞です。

破骨細胞

骨梁の表面に存在し、酵素を放出し、古くなったコラーゲンやカルシウムなどの骨細胞成分を分解・融合する役割をしています。

簡単に言うと、骨を吸収して、壊す細胞です。

骨細胞

骨の9割以上を占める細胞で、骨芽細胞から形成されていて、細い突起により樹状に結合しています。

自分自身で合成した骨の内部に取り込まれた不活性状態の骨芽細胞です。

医師
では、これらの細胞が具体的に骨の成長にどのように関与しているのかを、次にまとめました。

骨の成長の仕組みとは?

骨は、成長するにつれ、ただ伸びて太くなるわけではありません。

以下のイラストを見ても分かるように、縦に成長するもの、横に成長するものだけでなく、一部逆に骨が吸収されてなくなる部位も存在します。

つまり、この骨が作られる部分と削られる分の割合が微妙に調整され、骨が成長する仕組みになっています。

その際に関係するのが、上記でご説明した骨組織で、

  • 骨芽細胞が→骨の形成
  • 破骨細胞が→骨の吸収
  • 骨細胞が→骨の維持

を担っています。

骨の成長は、この骨の形成と吸収を繰り返すことにより起こります。

これを骨代謝と言います。

骨代謝とは?
古い骨細胞を破壊して血液に吸収する骨吸収と、新しい骨組織を作り出す骨形成が繰り返されることで、この繰り返しをリモデリング(再構築)ともいいます。

 

破骨細胞や骨芽細胞の存在場所は?

この骨代謝の繰り返しである、リモデリングが行われるために、破骨細胞や骨芽細胞は、骨の中でも存在しやすい場所があります。

医師
それを図にしたものが以下のものです。

骨幹部の皮質の外側は骨芽細胞、内側は破骨細胞が分布して、骨の太さを調節しています。

骨がこのように太くになる様子を膜性骨化といいます。

一方、骨端軟骨は骨端部と骨幹部をつなぐ軟骨層で、破骨細胞と骨芽細胞が混在して存在しており、活動性高い部位です。

先ほど出てきた骨端板を形成し、その長軸の両側に海綿骨を形成していきます。

それにより、骨が長軸方向に形成されていきます。

骨がこのように長くなる様子を軟骨内骨化といいます。

骨はこのように、

  • 膜性骨化(骨が太くなる)
  • 軟骨内骨化(骨が長くなる)

の2つのルートで形成されていくのです。

ここで、骨幹端の皮質に着目してみると、ここは破骨細胞が存在しています。

骨はただ太く長くなるのではなく、骨端であった部位が骨幹へと変化していく過程では、細くなるために骨吸収も必要であることがわかりますね。

また、骨は伸び続けるわけではなく、成人になるにつれ成長がストップするのは、骨端線が成長するにつれなくなり、骨端と骨幹が合体するためです。

これはレントゲン写真を見れば明らかです。

成人のレントゲンでは、骨端線がいずれも閉じているのに対して、6歳女児の膝関節のレントゲンでは、骨端線が閉じていない様子がよくわかります。

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成長に関係する軟骨とは?

医師
「軟骨が骨化?」

「軟骨とはクッション的役割をするものだったはずじゃ?」

とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんので、ここで少し付属説明を致します。

軟骨には関節軟骨骨端軟骨という2種類があります。

関節軟骨は関節を保護して働き、衝撃を吸収するクッション性の役割を果たします。

骨端軟骨は骨端部と骨幹部の間をつなぐ軟骨層にあり、上記でご説明しましたように骨端内骨化によって骨が伸びるため、成長に関係する軟骨は、骨端軟骨の方になります。

このように、骨の成長に重要な役割を果たす軟骨を成長軟骨板とも呼びます。

骨の成長はいつまで?

人の骨は、生まれてから成人するまで成長し続けます。

ですが、上記でご説明しましたように、骨端線がなくなればその成長もストップするのですが、その骨の成長には個人差はありますが、だいたい20歳前後にはストップします。

もっともこの骨が成長する時期は、成長期といわれる10代初めから半ばまでで、中には成長痛という骨がミシミシというような痛みを感じる場合もあります。

また一度骨の成長が止まれば、それはもう骨端線が消失しているというわけなので、その後再び骨が成長するということはなく、その後は加齢にともない減少していきます。

参考文献:整形外科疾患ビジュアルブック  P2〜5
参考文献:全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P38〜40
参考文献:100%整形外科 P3〜13
参考文献:ラングマン人体発生学第7版 P141-142

最後に

  • 骨は関節面を除き、皮質骨と海綿骨で構成されている
  • 骨の組織は、骨芽細胞・破骨細胞・骨細胞で形成されている
  • 骨が作られる部分と削られる分の割合が微妙に調整され、骨が成長する仕組みになっている
  • 骨代謝によって骨は成長する
  • 成人になるにつれ成長がストップするのは、骨端線が成長するにつれなくなるため
  • 個人差はあるが、だいたい20歳前後で骨の成長はストップする

 

骨の成長は不思議で、大変興味深いものですよね。

また、この骨に異常が起こると、成長にも関わり、様々な病気に発展することもあります。

それについては、別な記事でご説明いたします。

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