手や足にできる腫瘤の中で、固く丸い良性の腫瘤の1つに、ガングリオンがあります。

20〜40代の女性に多いもので、見た目にも気になってきます。

では、このガングリオン、どのような原因で起こるのでしょう?

また、治療はどのように行うのでしょうか?

 

今回は、ガングリオン(英語表記で「ganglion)について

  • 原因
  • 症状
  • 何科を受診するのか
  • 診断
  • 治療

などを図(イラスト)と実際のMRI画像を用いて、わかりやすく解説したいと思います。

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ガングリオンとは?

関節包や腱鞘などから長い茎のように繋がって生じる、ゼリー状の粘性物質が内側に溜まった状態となる良性の嚢胞様病変を、ガングリオンといいます。

粘性物質って?

中身は何にゃ?

内容物は透明なゼリー状の粘液で、ヒアルロン酸です。

このガングリオンは、豆粒大〜母指頭大の腫瘤として皮膚の表面から隆起し、触ると固く感じるため軟骨にも間違えられることが多くあります。

どこにできることが多いにゃ?
医師
では次にガングリオンの好発部位について見てみましょう。

ガングリオンの好発部位

  • 手関節背側
  • 手関節母指側掌側(橈骨動脈周囲)
  • ばね指が生じている指の付け根(腱鞘のあるところ)
  • 足(膝や足首・足の甲)

など、ガングリオンは身体中の関節近傍あちこちに生じる可能性がありますが、最も多いのは手関節背側です。

ガングリオンの原因とは?

  • 外傷
  • 手の使いすぎ

などが発症要因となりますが、詳しい原因は分かっていません

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ガングリオンの症状は?

無症状のことも多くありますが、神経や腱がガングリオンによって圧迫されるようになると

  • 疼痛
  • 違和感
  • 痺れ
  • 感覚障害

などの症状が出現します。

ガングリオンは何科を受診する?

皮膚が隆起することから、皮膚科を受診される方もいらっしゃいますが、専門は整形外科です。

ガングリオンの診断は?

臨床所見のほか、超音波検査(エコー)やMRI検査などの画像検査を行い診断します。

穿刺

腫瘤の内容物を調べるために、穿刺(注射器で内容物を抽出)します。

ガングリオンの内容物は、上記で説明した通りヒアルロン酸なので、穿刺でこれを確認します。

MRI検査

MRI画像では、関節周囲の関節包、腱や靭帯、腱鞘などに接して存在し、信号パターンとしては、T1強調像で低信号、T2強調像で明瞭な高信号を示す嚢胞性病変の特徴を示します。

ときに、分葉状の形態を示し、隔壁構造を有します。

症例 10歳代女性

右手背の皮下に境界明瞭な単房性の嚢胞性病変を認めています。

ガングリオンと診断されました。

症例 30歳代女性

左手背の皮下に境界明瞭な単房性の嚢胞性病変を認めています。

ガングリオンと診断されました。

症例 60歳代女性

MRI画像(T1強調像、T2強調像)です。

手掌(てのひら)側の第3指(中指)の皮下に2cm大の境界明瞭な腫瘤を認めています。

T1強調像で低信号、T2強調像で内部は著明な高信号を認めており、液体が溜まっている嚢胞を疑う所見です。

ガングリオンと診断されました。

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ガングリオンの治療は?

ガングリオンは自然消滅することもあるため、無症状で小さな物の場合は、経過観察となることもあります。

しかし、症状を伴う場合は、穿刺によって内容物を吸引することで、膨らみは消えます。

一度穿刺すれば完治するにゃ?

ガングリオンが治らないことなんてあるにゃ?

ガングリオンは、再発することもあります。

再発を繰り返す場合、手術を検討します。

手術療法としては、腫瘤の摘出をするという方法がとられます。

最初に説明した通りガングリオンは関節包や腱鞘などから長い茎のように繋がっているため、これらに付着する茎部も含めて完全に摘出する必要があります。

参考文献:
骨軟部疾患の画像診断 第2版 P114-115

整形外科疾患ビジュアルブック  P206
全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P252・253
病気がみえる vol.11 運動器・整形外科P369
100%整形外科 国試マニュアル 改訂第6版P193

最後に

ガングリオンについて、ポイントをまとめます。

  • 関節包や腱鞘などから長い茎のように繋がって生じる、ゼリー状の粘性物質が内側に溜まった状態となる腫瘍
  • ガングリオンの中身はヒアルロン酸
  • 最も多いのは手関節背側
  • 詳しい原因は不明
  • 無症状のことも多くあるが、疼痛や痺れ、感覚障害を伴うこともある
  • 穿刺でヒアルロン酸と確認できればガングリオン
  • 小さなガングリオンに対し、画像検査も有用
  • 経過観察や穿刺を選択する
  • 再発を繰り返す場合は、手術を検討する

 

実は、私の祖母も、若い頃からこのガングリオンを繰り返していました。

聞き手である右手の手関節母指側掌側にできていたため、調理など、普段の生活にも差し支えが出るようになり、手術を行いました。

手術後はしばらく局所安静だったものの、疼痛や痺れがとれ、「こんなことなら早く手術に踏み切ればよかった」と言っておりました。

ただし、掌の厚みが元のようには戻らず、高齢になってからの手術だったため、筋力回復にも時間がかかりました。

この記事、体験が少しでもお役に立てればと思います。

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