かかとの少し上に位置するアキレス腱に炎症を伴う疾患を、アキレス腱炎(アキレス腱周囲炎ともいう)といいます。

痛みを伴うため、スポーツをする上で、苦しんでいる方が多くいます。

今回は、このアキレス腱炎について

  • 症状
  • 原因
  • 診断
  • 治療法

を、実際のMRI画像を交えてわかりやすく説明したいと思います。

参考になさってください。

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アキレス腱炎とは?

アキレス腱炎とは、その名の通りアキレス腱に伴う炎症です。

アキレス腱に繰り返す小さな断裂や瘢痕が生じて変性し、周囲の腱鞘間の滑液組織であるパラテノン(腱傍結合組織)に及び、慢性的な炎症や肥厚をきたし、腱と癒着することがあります。

アキレス腱炎の症状は?

アキレス腱の

  • 腫脹
  • 疼痛
  • 圧痛
  • 熱感

などがあります。

症状は徐々に進行し、足関節の運動障害として、背屈障害や歩行障害を伴うようにもなります。

また、中には足の関節を動かす際に、アキレス腱のきしむような摩擦音が聞こえることもあります。

関連記事)アキレス腱断裂は手術が必要?原因や症状、後遺症までを解説

アキレス腱炎の原因は?

アキレス腱炎は、「使いすぎ症候群」とも言われ、スポーツ障害として高頻度に見られる疾患です。

下腿三頭筋への負荷が増大したことを原因とし、

  • ランニング
  • 飛躍動作
  • 加齢
  • 筋力低下
  • 柔軟性の低下
  • 回内足
  • 扁平足

などが誘因となり、中には、合わない靴を履いていたために生じることもあります。

中年以降の、ジョギングやウォーキングを日課としている人によく起こります。

使いすぎ症候群とは?

筋肉を酷使したことによって、筋・腱・腱付着部に炎症を伴うようになります。

使いすぎ症候群となるのは、その他に

  • 神経炎
  • 軟骨摩擦
  • 断裂
  • 離脱性軟骨炎
  • コンパートメント症候群
  • 疲労骨折

などがあります。

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アキレス腱炎の診断は?

  • 臨床所見
  • X線検査
  • MRI検査
  • 超音波検査

などにより診断します。

医師
臨床所見と画像検査に分けてご説明します。

臨床所見

アキレス腱炎の特徴的な症状のほか、スポーツ歴や誘因となる動作等なかったかなどを問診し、診断を進めていきます。

X線検査・MRI検査・超音波検査

アキレス腱炎では、MRI検査では、STIR像及び脂肪抑制T2強調像でアキレス腱に異常な高信号を認めます。

慢性の経過ではアキレス腱の肥厚を認めることがあります。

よく似た症状をもつ疾患との鑑別には、画像検査が有用です。

鑑別する疾患
  • 滑液包炎
  • 踵骨骨折後の変形
  • 腱の骨化
  • 腓腹筋の部分断裂

 

症例 60歳代 男性 右踵の痛み

MRIのSTIRという撮像方法の矢状断像です。

アキレス腱の中に高信号を認めています。T1強調像においても高信号を認めており(非提示)、アキレス腱内の出血が疑われます。

またアキレス腱の踵骨の付着部においてアキレス腱に高信号を認めており、アキレス腱付着部炎が疑われます。

アキレス腱不全断裂+アキレス腱内血腫+アキレス腱炎を診断されました。

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アキレス腱炎の治療は?

保存療法や手術療法が選択されます。

保存療法

  • 局所安静
  • 局所保護(装具装着・テーピング・サポーター)
  • 薬物療法(湿布・内服薬)
  • ステロイド局所注射
  • 理学療法

などが選択されます。

痛みが強く出ている際には、消炎鎮痛薬などによる薬物療法も行われ、運動量を減らして腱の自然修復を待ちます。

局所保護の際、テーピングや装具により固定し、足底に2cm程度のウェッジ(ヒール)を取り付けることで、症状が少し緩和されます。

医師
インソールスニーカーを使用するのも良いでしょう。

ほとんどの場合は、この保存療法で改善しますが、なかなか改善しない場合、手術療法が選択されます。

手術療法

  • 癒着剥離術
  • 腱鞘切開術

が検討されます。

この方法により、原因病変の除去を行います。

参考文献:全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P166・167

最後に

  • アキレス腱に生じる炎症
  • 使いすぎ症候群の1つ
  • スポーツ障害として高頻度にみられる
  • 腫脹・疼痛・圧痛・熱感などがみられる
  • 酷使・加齢による腱の変性・筋力や柔軟性の低下・回内足・扁平足・合わない靴などが原因となる
  • 臨床所見や画像検査により診断する
  • ほとんどは保存療法で改善するが、改善しない場合には、手術を検討する

 

いかがでしたでしょうか?

痛みを我慢し、足を酷使続けると、症状はさらに悪化します。

そのため、安静が一番の薬とも言えます。

症状を悪化・長引かせないためにも、ムリをしないのが改善への近道となるでしょう。

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