人間には206個の骨が存在し、様々な様式で連結しています。
そして、2つ以上の骨が連結されている部分を関節といいますが、この関節にはどんな種類があり、働きをしているのでしょう?
今回は、関節(英語表記で「joint」)について
- 種類
- 仕組み
- 機能
を分かりやすく図とともにご説明します。
関節とは?
最初にご説明しました通り、人間の人体にある骨と骨とを連結する、2つ以上の骨が連結されている部分を関節といいます。
その関節は、主に
- 関節腔を持たない不動性の関節
- 関節腔を持つ可動性の関節
とに分けられます。
関節の種類は?
関節は、関節頭・関節窩の形状や働きによって
- 多軸性の球関節
- 二軸性の楕円関節・鞍関節
- 一軸性の蝶番関節・車軸関節
- 運動軸なしの平面関節
という6つに分類されます。
球関節(きゅうかんせつ)
肩関節や股関節がこの球関節があり、球状の関節が対側の関節窩の中を回転することで、あらゆる方向に可動域を持ちます。
そのため、この関節のおかげで、肩を回したり、足を上げたりといった動きができるようになるわけです。
楕円関節(だえんかんせつ)
橈骨手根関節(読み方は「とうこつしゅこんかんせつ」掌の付け根)・顎関節がこの楕円関節で、楕円体になった2つの軸が中心となって回転します。
鞍関節(あんかんせつ)
母指の手根中手関節(しゅこんちゅうしゅかんせつ)・胸鎖関節(読み方は「きょうさかんせつ」鎖骨の胸骨端と胸骨の鎖骨切痕との間の関節)があり、鞍状の関節面が直に交わるように向き合い、2つの軸を中心にして回転運動をおこないます。
蝶番関節(ちょうばんかんせつ)
肘関節(腕尺関節)や膝関節がこの蝶番関節にあたり、一方向だけに回転運動するという蝶つがいのような働きをします。
車軸関節(しゃじくかんせつ)
肘関節(上橈尺関節)や環軸関節がこの車軸関節にあたり、片方の関節が車軸の役割となり、もう片方の関節窩の中を回転します。
平面関節(へいめんかんせつ)
足根中足関節(そっこんちゅうそくかんせつ)や椎間関節などがあり、両方の関節面が平面なため、運動軸がないため、関節可動域も狭くなっています。
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関節の仕組みとは?
最初にご説明しました、不動関節と可動関節ですが、それぞれに分けて仕組みをご説明します。
不動関節
その名の通り動かない関節ですが、連結する種類が線維性連結・軟骨性連結・骨連結とあります。
線維性連結
骨が線維性の結合組織によって連結されているもので
- 頭蓋骨
- 靭帯の連結
- 歯と歯茎
などがあります。
軟骨性連結
軟骨によって連結されているものですが、硝子軟骨結合・線維軟骨結合とに分類され
- 椎間板
- 恥骨
などがあります。
骨連結
複数の骨が融合して1つの骨となったもので
- 腸骨
- 恥骨
- 坐骨が結合した寛骨
などがあります。
可動関節
通常、関節といえば、この可動関節のことをいいます。
関節面は関節軟骨で覆われ、それぞれ凹凸の形状となっていて凹面を関節窩、凸面を関節頭といいます。
この関節窩と関節頭の間には関節腔と呼ばれる隙間があり、線維膜と滑膜の2層の関節包で覆われています。
また、この関節腔内はヒアルロン酸などの髄液が存在します。
関節の機能は?
関節の機能は、骨と骨とをつなぐクッションとしての役割をする不動関節と、動きを作り出す可動関節ですが、関節を軸として骨が動きます。
ここでは可動域の主軸となる可動関節についてご説明します。
可動関節があるのは
- 首
- 背軸
- 肩
- 肘
- 手
- 手の指
- 股
- 肘
- 足
- 足の指
などです。
つまり、これらを動かすことができるのは、関節の働きによるもので、この部分の関節が障害を受けると関節機能障害を起こし、様々な症状が出現します。
参考文献:整形外科疾患ビジュアルブック P8〜9
参考文献:全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P42〜45
最後に
- 2つ以上の骨が連結されている部分を関節という
- 関節は、関節頭・関節窩の形状や働きによって、球関節・楕円関節・鞍関節・蝶番関節・車軸関節・平面関節に分けられる
- 動かない不動関節と、軸となり骨と骨を動かす可動関節がある
- 関節は骨と骨とをつなぐクッションとなり、骨と骨を動かす軸となる
頭から足、指先にまで骨はあり、さらに骨と骨をつなぐ関節があります。
この関節に障害が出ると、可動域に制限が出て、痛みをともなうことも多くなっています。