関節の動きにおいて、ただ回すなどとは異なる呼び名である「内転(ないてん)・外転(がいてん)」などという言葉がありますが、どういう意味かご存知ですか?
そこで今回は、内転(英語表記で「adduction」)・外転(英語表記で「abduction」)についてどのようなものなのかということを画像や写真を用いて、説明していきますね。
参考にしてください。
内転とは?
体を正面から見て半分にした状態から、考えます。
このとき、中心を正中面として、骨を正中面に近づける運動を内転というのです。
腕でいうならば、気をつけの姿勢がそうですし、目でいうと、寄り目の状態が内転ということになります。
指でいうなら、縦にまっすぐした状態で、母指が手掌面に近い状態ですね。
また、足でいうと・・・足関節(距腿関節)において下腿垂直軸を中心として、内回りする動きが内転です。
つまり・・・、親指を内側に回すような動きですね。
この時、可動域は15〜25度となります1)。
外転とは?
内転とは逆の動きである、正中面から遠ざける運動を外転といいます。
腕を上げた状態なんかは、外転ですね。
手でいうと、垂直にした状態で、母指が手掌面から離れる運動が外転となります。
また、足でいうと、内転とは逆に足関節において下腿垂直軸を中心として外回りする動きが外転です。
つまり・・・、足を外側に回すような動きですね。
この時、可動域は5〜15度になります2)。
回内・回外については、こちらをご覧ください。
関連記事)回内と回外とは?運動を解説
参考文献:
1)2)第9版 イラスト解剖学P31・32
解剖学講義 改定2版P76
最後に
ポイントをまとめます。
以下のような動きが内転です。
- 気をつけの姿勢(腕)
- 寄り目の状態
- 母指を手拳面に近づけた状態
- 足の親指を内側に回す動き
そして、外転は、以下のような動きになります。
- 腕を体から離した姿勢
- 目を外側に向けた状態
- 母指を手拳面から離した状態
- 足を外側に向けた動き
単純な動きなものの、急に「内転して」「外転した動き」といわれると、戸惑うこともありますが、図を見てこれを覚えておくと様々な場面で役立つでしょう。