そこで今回は、胸骨の場所と解剖について、図や実際のCT画像とともに解説したいと思います。
胸骨とは?場所はココ!
胸骨は、肋骨・肋軟骨や胸椎とともに胸郭(きょうかく)を形成します。
胸骨は上の画像のように、胸の前の中心にある骨で、体の表面から触れることができます。
両側の鎖骨(胸鎖関節)や肋軟骨(胸肋関節)と関節面を形成します。
ですので、胸骨の場所としては、胸部上部の真ん中(正中)の皮下ということになります。
胸骨が中心にある胸郭の3D構造を動画で確認する。
次に胸骨の解剖について見ていきましょう。
胸骨の解剖は?
胸骨は扁平な骨で、表面(表層)の骨質は薄く、内部の海綿骨には赤色骨髄(生涯造血を営む)が含まれます。
胸骨は短剣に似た形をしており、3つの部位から構成されます。
上から
- 胸骨柄
- 胸骨体
- 剣状突起
という3部からなります1)。
胸骨柄
胸骨の上部にあるのが胸骨柄で、八角形を呈しており、
- 上縁には頚切痕
- 頚切痕の外側には外側切痕
があり、頚切痕には鎖骨がつき、外側切痕には第一助軟骨がついています。
胸骨体
縦長の長方形で、長さは胸骨柄の約2倍です2)。
胸骨枝との接合部には第二助軟骨がつきますが、胸骨柄から胸骨体には第1〜7助軟骨の前端とつながる7対の助切痕(第1助軟骨は胸骨柄・第二助軟骨は接合部を含む)があります。
また、胸骨柄と胸骨体の接合部は胸骨角(やや前方に突出)といいます。
ちなみに、この胸骨柄結合部は軟骨結合で、呼吸運動に関係して少し動きますが、高齢者では動かなくなります。
剣状突起
胸骨の下端部にある小さな骨です。
参考文献:
1)解剖学講義 改定2版P246
第4版 イラスト解剖学P67
全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 P39
病気がみえる vol.11 運動器・整形外科P4
最後に
胸骨について、ポイントをまとめます。
- 胸骨は、胸の中心にある骨
- 胸骨柄・胸骨体・剣状突起という3部からなる
- 胸骨柄は、上部にある八角形の骨
- 胸骨体は、縦長で柄の2倍ある
- 剣状突起は下端にある小さな骨
- 表層の角質は薄く、内部は赤色骨髄を含む
いかがでしたでしょうか?
胸骨は両胸の中心、縦にある骨で、手で触れると肉がついていない硬い部分として感じることができるでしょう。