腰椎圧迫骨折は、高齢者に発症率が高い疾患のひとつです。

高齢者が発症した場合の注意点やリハビリを行う際の注意点はなんですか?

腰椎圧迫骨折は、手術をせずに治療を行うため安静期間(ベット上で寝た状態)をもうけるため、筋力低下・物忘れの症状・床ずれなどの注意点が挙げられます。

高齢者ならでは!
という注意点なんですね。

そうですね。
今回は以下の4つについてのお話です。
医師
医師

  • 腰椎圧迫骨折のリハビリ・高齢者に対する注意点
  • リハビリ開始の時期と期間
  • リハビリプログラム
  • 自宅でできるリハビリと注意点

では詳しく説明していきますね。

腰椎圧迫骨折のリハビリをするにあたっての高齢者の場合の注意点は?

まずは大事な注意点は・・・安静期間す。
(コルセット採型・装着し、痛みが軽減するまでの間)

なぜ安静期間が必要なんですか?

それは、コルセットを装着するまでの期間に潰れた骨が神経を圧迫しないように寝た状態を維持しなければいけないから!

神経を圧迫すると、次の3つの危険性が出てきます。

  • 痛みの増強
  • 痺れの出現
  • 運動麻痺

だから、安静期間が必要なんです!

 

しかし!

 

安静期間が長くなればなるほど、以下のような症状が出現してきます。

  • 筋力低下
  • 物忘れ症状
  • 床ずれ

これらの症状が現れる可能性がある、というのが高齢者にとっての注意点になりますね。
1つずつ詳しく説明しますね。
医師
医師

筋力低下

高齢者は、安静期間が長くなればなるほど筋力低下が著明に現れます。

痛みも強く、腹筋や背筋・足の筋力低下が起きてきますね。

筋力低下は、寝る・起きる・座る・立つ・歩くのすべての動作の阻害因子!

 

安静期間をとりすぎないよう、努めなければいけませんね。

物忘れ症状

安静期間においては、食事や排泄などは寝た状態で行います。

高齢者は、このような日常的な動作の状況変化で物忘れの症状が突然現れることがあるので注意しましょう。

 

日にちの確認をしたり、コミュニケーションを多くとりましょう。

物忘れのイラスト

床ずれ

高齢者は、全身の血のめぐりが低下していることも考えられますね。

このような状況で、同じ姿勢で安静を保つと床ずれをおこします。

 

床ずれしやすい部位は、身体のなかで骨がすぐに触れるところなので、除圧できるといいですね。

 

あともう1つ!
高齢者が注意したいのは、腰椎圧迫骨折は再発するリスクが高い、ということです。
医師
医師

腰椎圧迫骨折の原因には、

  • 後方へ倒れて、尻もちをついた
  • 重たいものを持ち上げた(布団やお米など)
  • 長時間同じ姿勢で仕事をした(草むしりなど)
  • くしゃみをした

などがあることは、すでに承知の通りでしょう。

 

腰椎圧迫骨折の画像付きイラスト

 

高齢者で注意したい点は、原因が自分ではわからないことがある!
という点。

腰椎に衝撃を受けていないにもかかわらず、日常生活のなかで身体の重みで骨折していることがあるのです。

ですから、気づかないうちに再発するリスクが非常に高いとされる骨折となります。

リハビリ開始の時期は?期間はどれくらい?

いろいろな注意点があるんですね。
リハビリはいつごろ始められますか?

医師の指示のもと、入院翌日から開始。
(ベット上で筋肉をほぐしたり、関節を軽く動かす程度)

コルセットが完成すれば、積極的にリハビリを進めていきます。
(ここから身体を動かすことができる)

痛みの程度を確認することが、とても重要となりますね。

どのくらいの期間、リハビリが必要ですか?

2~3ヶ月程、コルセット装着のままリハビリを継続します。1)

コルセットを外してよいと指示がでるのも、装着してから3ヶ月後!

定期的なレントゲンでの確認が必要です。

 

痛みが軽くなり、日常生活に支障がなければコルセットを装着したまま退院することも。

リハビリ時に、足に運動麻痺が出ていないか確認することも重要なポイントとなります。
医師
医師

リハビリプログラムは?

高齢者の場合、安静期間が長くなればなるほど筋力低下が進みます。

リハビリテーションで重視しなければならないこと!

筋力増強運動基本的動作の習得・歩く動作の安定です。

具体的に内容を説明していきますね。
必ず、コルセットを装着した状態で行いますよ。
医師
医師

 

筋力増強運動

必ず各関節を動かして運動を始める準備が必要。

痛みのない範囲で、足の曲げ伸ばし足を持ち上げる運動をします。

理学療法士が抵抗をかけるので、それに負けないように力を発揮することが大切です。

ブリッジ運動なども歩く動作を安定させるために重要ですよ。

寝たり起きたり・立ったり座ったりの基本的動作の練習

腰椎圧迫骨折の場合、起きる際などの動作開始時に痛みがあります。

骨折の特徴を理解して、安全に行える動作を習得していきましょう。

  • 起き上がりは、ベット柵などの握り身体をしっかり支える
  • 立ち上がりは、棒を握ったり・身体を曲げて腰を浮きやすくする
  • 座るときは、手を添えて勢いよく座り込まない

 

動作のポイントをおさえておきましょう。
医師
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歩く練習

歩行練習のイラスト

 

  1. 平行棒の中を歩く
    両手で棒をしっかりと握り、1歩1歩歩く感覚を思い出します。
  2. 歩行器を使って歩く
    身体をしっかりと起こし、前を見る。
    足を前に運ぶ動作が、歩行器を使うことでリズムよく行えます。
  3. 押し車・杖を使って歩く
    受傷前にどのレベルで歩いていたのか、押し車か杖かで判断。
    退院後の生活に合わせて、歩く距離を延ばし安定してあるけるようにします。

 

退院後の生活を想定して、生活指導も行いますよ。
医師
医師

退院後、洋式の生活へ移行していくように生活指導も行っていきます。

  • 布団の生活から、ベットへ移行する
  • 正座は避け、椅子を使用する
  • 階段は避け、エレベーターを利用する

などが、その例です。

 

自宅でできるリハビリメニューは?注意点は?

腰が痛いからといってコルセットを装着し続けると、腹筋や背筋が低下するので3ヶ月が過ぎたら外すことも大切です。

 

自宅で簡単にできる運動を紹介しますね。
医師
医師

自宅でできる運動

うつ伏せになって体操する

腰椎圧迫骨折の自宅リハビリメニュー

身体が反り過ぎないように注意!

痛みがでたらやめること!

四つ這いで体操する

腰椎圧迫骨折の自宅リハビリメニュー

身体が一直線になるように、バランスを保つ!

身体が安定せず、ふらふらする際はやめる!

 

  • 生活の中で、姿勢を良くしたり・動作を丁寧に行うこと(顎を引いて、背筋を伸ばす・ゆっくり腰をおろすなど)
  • 安静になりすぎず、買い物でかけるなど日常生活の中で適度に歩くこと(重たい荷物は避ける)

なども意識してみてください。

参考サイト)1)腰椎圧迫骨折の治療と検査について

まとめ

今回のポイントをまとめます。

  • 腰椎圧迫骨折は、再発リスクが高い
  • 神経を圧迫しないよう、安静を保つことが必要(この期間、認知症・床ずれに注意)
  • 入院翌日~約3ヶ月リハビリを行う(必ずコルセット装着)
  • 筋力増強運動と基本的動作の習得が歩行の安定につながる
  • 3ヶ月過ぎたらコルセットを外し、自宅でできる体操を行う(うつ伏せ・四つ這いで)

腰椎圧迫骨折の痛みは個人差ありますが、痛みの程度が弱くても神経を圧迫している可能性は高く、慎重に理学療法を進めていかなくてはいけません。

安静と痛みのコントロール!

しっかりと判断し、適切にリハビリを進めていきたいと考えます。

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