「右脳」「左脳」という言葉はよく聞きますが、その2つをつないでいるのが「脳梁(のうりょう)」です。
今回は、脳梁について、
- 脳のどこにあるのか(実際のMRI画像)
- どんな働きをしているのか
- 脳梁がかかわる病気
をまとめました。
脳梁とは?場所はどこ?
脳梁は、左右の大脳半球をつなぐ、太い神経線維の束です。左右の脳をつなぐ線維の中で最も大きく、数億本ともいわれる神経線維が通っています。
脳の真ん中の深いところに、前後に長く弓のような形で伸びており、前から順に吻(ふん)・膝(しつ)部・体部・膨大(ぼうだい)部とよばれます。
実際の頭部MRI(正常例)で、脳を水平に切った断面を見ると、脳梁の前の部分(膝部)と後ろの部分(膨大部)が、左右の脳室をはさむように見えます。

脳梁全体の形を見たいときは、頭を左右に分けるように縦に切った断面(矢状断)のMRIで観察します。
脳梁の働き
脳梁の役割は、左右の大脳半球の情報をやりとりすることです。
たとえば、左の視野で見たものの情報は右の脳に入りますが、言葉にかかわる部分の多くは左の脳にあります。脳梁を通って情報が左の脳に伝わることで、見たものの名前を言うことができるのです。左右の手を協調させて動かすときにも、脳梁が働いています。
脳梁がかかわる病気
脳梁離断症候群
脳梗塞や腫瘍、けがなどで脳梁が傷つくと、左右の脳の連絡が途切れ、左手の動きがぎこちなくなる、左手でさわったものの名前が言えない、などの症状が出ることがあります。
脳梁形成不全
生まれつき脳梁の一部、または全部がつくられていない状態です。症状がほとんどない人から、発達の遅れやてんかんを伴う人まで、さまざまです。
多発性硬化症
脳や脊髄の神経を包む膜(髄鞘)が傷つく病気で、MRIで脳梁に特徴的な病変が見られることがあります。
脳梁膨大部の一過性の病変
感染症などをきっかけに、MRIで脳梁膨大部に一時的な変化が見られることがあります。多くは時間とともに消えていきます。
最後に
- 脳梁は、左右の大脳半球をつなぐ最大の神経線維の束
- 前から吻・膝部・体部・膨大部に分けられる
- 左右の脳の情報をやりとりし、脳全体をひとつにまとめて働かせている
- 脳梗塞やけが、生まれつきの形成不全、多発性硬化症などで障害されることがある
記憶にかかわる脳の部分については、海馬とは?の記事もあわせてご覧ください。




