上眼窩裂(じょうがんかれつ)は眼球の入っている眼窩と頭蓋内を結ぶ穴の一つです。

単なる穴ではなく、複数の神経・血管が走行しています。

またこの神経が何らかの理由で障害されることを上眼窩裂症候群とか眼窩先端症候群と呼びます。

今回は、上眼窩裂(英語で、superior orbital fissure : SOF)について

  • 上眼窩裂とは何なのか?どこにあるのか
  • 上眼窩裂を通るもの
  • 上眼窩裂症候群(眼窩先端症候群)の原因

について、CT画像を用いて解説しました。

上眼窩裂とは?場所は?

上眼窩裂は眼球の入った眼窩と中頭蓋窩を結ぶ裂隙です。

場所としては、蝶形骨小翼と大翼の間に存在します。

実際のCT画像で見てみましょう。

症例 30歳代男性 スクリーニング

上眼窩裂(superior orbital fissure)のCT画像における解剖

頭部CT画像の骨条件の横断像です。

上の○で囲った部分が左右の上眼窩裂です。

上眼窩裂のCT画像の解剖

上眼窩裂は眼窩と中頭蓋窩を結ぶ穴であることがよくわかりますね。

上眼窩裂を通るものは?

さて、この上眼窩裂には、

  • 第3、4、6脳神経、第5脳神経第1枝(眼神経)
  • 上眼静脈

が通っています。

ちなみに私は上眼窩裂を通る神経の覚え方としては、そのまま3,4,5の1,6と覚えています。
そのままだニャー。

もっと覚えやすいように工夫してほしいニャー。

ということでちょっとネットで上眼窩裂を通る神経のゴロを探してみました。

「癌が移転して活動」

と言う覚え方や

「上の眼科でさしごろ」

という覚え方などがあるようです。

ちなみに第3脳神経=動眼神経、第4脳神経=滑車神経、第5脳神経=三叉神経、第6脳神経=外転神経です。

このことを覚えている人ならば、3,4,5の1,6でもすんなり頭に入るのではないでしょうか。

 

結局、それで覚えさせようとしてるニャー

また上眼静脈は海綿静脈洞と連続していますので、内頸動脈海綿状脈洞瘻(CCFcarotid-cavernous fistula)の前方型で拡張することで有名な静脈です。

上眼窩裂に起こる問題は?

上眼窩裂に起こる問題としては、

  • 眼窩内腫瘍が中頭蓋底に進展
  • 上眼窩裂症候群

があります。

眼窩内腫瘍が中頭蓋底に進展

上眼窩裂は眼窩と中頭蓋底を結ぶ穴ですので、眼窩内に発生した腫瘍が上眼窩裂を介して中頭蓋底に進展することがあります。

このような進展をしうる眼窩内腫瘍としては、

  • 視神経鞘腫
  • 悪性リンパ腫
  • 偽腫瘍
  • 血管腫
  • 転移性腫瘍

などがあります。

上眼窩裂症候群(眼窩先端症候群(orbital apex syndrome))

上眼窩裂には脳神経が4つ走行しています。

この脳神経が障害され症状が起こることを上眼窩裂症候群(もしくは眼窩先端症候群(orbital apex syndrome))と言います。

上眼窩裂症候群(眼窩先端症候群(orbital apex syndrome))を起こしうる疾患としては、

  • Tolosa-Hunt症候群(ハント症候群)
  • サルコイドーシス
  • 多発血管炎性肉芽腫症

などが知られています。

最後に

上眼窩裂についてまとめました。

上眼窩裂は眼窩と頭蓋内を交通する穴の1つで、

  • 脳神経の3,4,5の1,6神経
  • 上眼静脈

が通っています。

ここに起こる問題としては、腫瘍の通る道となってしまうことや、上眼窩裂症候群(眼窩先端症候群)といったものがありました。

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