【図解・画像あり】胸郭とは？解剖や変形を伴う疾患などまとめ！

 

胸郭（きょうかく）とは、どのような骨から構成されており、どのような構造なのか？

なかなかぱっと説明出来る人は少ないと思います。

そこで今回は、この胸郭（読み方は「きょうかく」英語で「thoracic cage」）についてのお話です。

• 胸郭とはどういうものなのか
• 胸郭の解剖
• 胸郭の変形
• 心臓胸郭比

について、図や実際のCT画像を交えつつ説明します。

胸郭とは？

胸郭とは、肋骨・胸骨・胸椎で構成される胸部の骨格です。。

 

見た目的には、立体的なカゴ状の骨格です。

胸郭の立体構造は以下の動画で見た方がわかりやすいと思います。

胸郭の役割・機能は？

この胸郭は、

• 胸腔内臓器（心臓や大血管・肺など）の保護
• 上肢や頚部の筋付着と支持
• 呼吸運動

という3つの役割を持っています。

 

胸郭の解剖は？

胸郭はほぼ円錐状で、

• 胸郭上口
• 胸郭下口
• 肋骨でできる側壁

から構成されています。

胸部CTを骨条件で3D再構成した画像を用いて、胸郭を示すと次のようになります。

円錐状で上と下には出口があるイメージですね。

両手の母指と示指でハートを作ったような形が胸郭上口で、第12肋骨の部分（つまり下側）を胸郭下口といいます。

胸郭上口は、第1胸椎・第1肋骨・胸骨柄の上縁で囲まれており、やや前方下に傾いた形状です。

そして胸郭下口は、第12胸椎・第12肋骨・肋骨弓・胸骨下端（剣状突起）で囲まれ上口よりも広く、前後とも高位にあるものの、左右両側は低く下がった形状をしています^1）。

 

また胸郭の後部では、胸椎の椎体が胸腔内に飛び出ているため、胸腔を横断面で見ると肝臓のような形を呈し、その下には胸郭下口周縁から起こって腱中心に停止する筋である横隔膜があります。

• 成人の場合・・・前後にやや圧迫されたような形、左右径は前後径に比べ大きく、左右径は第9骨の高さで最大
• 幼児や小児の場合・・・左右径・前後径はほぼ等しく、丸く樽状で、年齢以外にも性別によって異なり、女性の方が胸骨が短く胸腔は小さい

というような特徴があります。

 

胸郭の変形・異常にはどんなものがある？

胸郭の変形というと

• 漏斗胸（ろうときょう）
• 樽状胸郭変形（たるじょうきょうかくへんけい）
• 先天性側湾症

などがありますが、それぞれについて説明すると・・・

胸郭の変形というと漏斗胸がありますが、これは胸の中央部が凹むもので、無症状な場合もあるものの、呼吸器に異常を感じつこともあります。

また、樽状胸郭変形は肺が過膨張するために胸郭が前に膨らんだ形で、漏斗胸とは逆な形状です。

そのほかに、小児期に発症する側湾症もありますが、原因はさまざまで突然変異で起こることもあると言われています。^2）

症例　40歳代女性　スクリーニング

胸部CTの横断像（輪切り）です。

胸郭の部分に色をつけましたが、前側の部分がへこんでいるのがわかります。

漏斗胸の画像所見です。

 

また、それ以外にも胸郭の異常として

• 胸郭出口症候群

もあります。

胸郭出口症候群は、腕神経や鎖骨下動静脈が胸郭出口で圧迫を受けるために、神経障害や血流障害を招く疾患です。

 

胸郭は、圧迫されると呼吸にも関係してくるため、日常の姿勢の注意や指導を含めた保存療法の他に、手術を検討することもあります。

心臓胸郭比とは？

レントゲンで胸部を撮影した際

• 胸郭のもっとも広い部分の長さ
• 心臓幅のもっとも広い長さ

を比べたもので、心臓がどれくらい拡大したのか、その程度を知るの際に用いられるものです。

 

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最後に

ポイントをまとめます。

 

胸郭は呼吸をする際、胸腔を拡大して肺の拡張を促します。

そのため、呼吸機能にも関わってくるのですが、以上の際にはこの呼吸に差し支えないか注意する必要があるのです。