健康診断の1つとしてもある眼科検診。
目は日常生活を送る上で非常に重要なことはおわかりでしょうが、目の病気を推測する上でも大事な検査です。
もちろん眼科で行われることもありますが、実際どのような検査なのか、内容や診断方法などわからない点も多いですよね?
今回は、そんな眼科検診について
- 内容
- 診断方法
- 判定区分
- 疑われる病気
- 検査頻度
などを解説していきたいと思います。
眼科検診の内容とは?
眼科検診では、
- 視力
- 眼圧
- 眼底
を検査します。
視力
みなさんご存知の通り、普段私達が物を見て感じることができているのは、この視力のあるお陰です。
視力検査は、物を識別する能力のことをいい、眼疾患があるかどうかを推測上でも重要な役割を果たします。
眼圧
眼球内にある体液の圧力を、眼圧といいますが、「眼の硬さ」ともいわれます。
この検査では、緑内障の危険因子として、眼底検査を合わせて重要な指標となるのです。
眼底
眼底は眼球内部の後面で、網膜のある部分、つまりは見えている面とは裏側です。
この検査では、
- 高血圧による臓器障害
- 循環器疾患の危険予測
を目的とした、循環器検診と眼疾患を調べる上で重要なものになっています。
眼科検診における診断方法は?
視力
5mの距離をとり、ランドルト環指標を用いて、左右それぞれを測定します。
- 裸眼視力(度を入れない視力)
- 矯正視力(度を加えた視力)
の両方を測定し、判定します。
眼圧
- 非接触式眼圧計(空気眼圧計)
- 接触式眼圧計
などの方法がありますが、「目に風が当たる検査」というとピンと来る方も多いでしょう。
眼圧の正常範囲は10~20mmHgですが、個人差もあります。
眼底
無散瞳眼底カメラを使ったデジタル写真で判定することが多く、
- 視神経乳頭
- 黄斑部
- 網膜血管
が1枚の写真に含まれるように、視神経乳頭と黄斑部中心窩を結ぶ線の中心を中央にして撮影します。
Scheie分類・Keith-Wagener分類・Wong-Mitchell重症度分類が、網膜血管の高血圧変化や動脈硬化変化を調べる上で用いられます。
眼科検診の判定区分は?
他の検査同様A〜Dの判定区分が用いられます。
視力
- A・・・「異常なし」視力1.0以上
- C・・・「要経過観察・生活改善」視力0.7〜0.9
- D・・・「要医療」0.6以下
眼圧
25mmHg以上は高眼圧症で、「D2:要精査」となります。
眼底
「D2:要精査」となりますが、先ほど説明しました分類ごとに判定されます。
眼科検診で疑われる病気とは?
- 白内障
- 緑内障
- 糖尿病網膜症
- 加齢黄斑変性
- 網膜血管の高血圧変化
- 動脈硬化性変化
- 視神経乳頭の異常
- 網脈絡膜変性・萎縮
- 有髄神経繊維
などがあります。
このような病気があると知ると怖く感じますよね。
眼科検診を受ける頻度は?
- 家族(血縁)に目の病気を患ったことのある人がいる
- 近視が強い
- 40歳以上
などの場合には、1.2年に1度の定期検診を受けることをオススメします。
40歳なんてまだまだ若いと感じる方も多いでしょうが、40歳以上の20人に1人が緑内障であるといわれており、その緑内障こそ早期発見・早期治療が重要になるためです。1)
眼科検診の料金は、病院によって差はありますが、3,000円前後(3割負担)となるのが一般的です。
参考文献:人間ドック健診の実際P130〜133
参考サイト:1)緑内障情報サイト
最後に
眼科検診について、ポイントをまとめます。
- 眼科検診では、視力・眼圧・眼底を調べる
- 視力検査は、物を識別する能力を測定するもの
- 眼圧検査は、眼球内の体液の圧力を測定するもの
- 眼底検査は、眼底は眼球内部の後面で、網膜のある部分を調べるもの
- 視力は、ランドルト環指標を用いて調べる
- 眼圧は、非接触式眼圧計(空気眼圧計)や接触式眼圧計で調べる
- 眼底は、無散瞳眼底カメラを使ったデジタル写真で判定する
- 視力は、0.6以下だと要医療
- 眼圧は、25mmHg以上は高眼圧症の疑いで要精査
- 眼底は、「D2:要精査」と出たら何らかの疾患を疑い、検査が必要
眼科検診というと、ただの視力検査だから引っかかっても問題ないと後回しにする方が多く、放置している間に症状は進行しています。
そのため、判定区分により専門医の受診を勧められた際は、しっかり指示に従い受診することが大切です。