人間ドックを受けようと、医療機関のホームページを見ると「人間ドック専門医」や「人間ドック認定医」という言葉を見ることがあります。
ですが、専門医と認定医・・・何がどう違うのか、ピンときませんよね?
今回は、人間ドック専門医と認定医、それぞれについて説明し、違いはなんなのかということをお話ししたいと思います。
人間ドック専門医とは?
人間ドック健診専門医というのが我が国日本にありますが、これは日本病院学会の「人間ドック認定指定医」制度から始まったもので、細かな理念や基本方針はありますが、認定条件として
- 日本国の医師免許取得者で医師としての人格識見を有する者。
- 専門医認定試験受験申請時に、5年以上本会あるいは本法人の医師正会員であり、会費を完納していること。
- 本会あるいは本法人の認定する研修施設において、所定の研修プログラム履修期間を含み、5年以上の研修実績を有する
- 臨床系学会の認定する、2 年間の臨床研修を終了し、認定医・専門医の資格を有する者は、前記3)の例外として本会あるいは本法人の認定する「研修施設」での人間ドック健診研修3年以上の原則として常勤での研修歴を有する者。
- 専門医認定試験にて所定の成績を得ていること。
(注)本会=日本総合健診医学会、本法人=日本人間ドック学会
(専門医 認定申請より引用。)
とされています。
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人間ドック認定医とは?
現在日本では、人間ドック認定医制度というのがあります。
これは日本人間ドック学会が定めたもので
- 日本人間ドック学会に医師本人が、正会員として入会している
- 日本人間ドック学会所定の取得単位(50単位)を満たしている
- 会員として、会費を遅滞なく納めている
- 人間ドック健診施設に従事しており、医学経験・人格ともに水準に達した医師である
- 上記を満たした上で、人間ドック認定医委員会が承認した者である
(日本人間ドック学会HP 認定医制度の概要より引用)
ことなどが、認定条件となります。
人間ドック専門医と認定医の違いとは?
専門医も認定医も、個人の資格です。
専門医は人間ドック機能評価認定施設の更新時の認定条件であり、専門医研究施設で一定期間研修を受けた者が試験を受けた上で、認定されるものです。
それに対し認定医は、日本人間ドック学会に入会しているなどの条件はありますが、専門の研修は必要とされません。
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人間ドック専門医・認定医の歴史
人間ドック認定指定医制度というのが、日本病院会より平成11年(1999年)に発足されました。
これは、日本独自の健康診断システムである人間ドック健診において、受診者の健康を維持・増進させるために、健診結果に基づいた事後指導である
- 説明
- 教育
- 指導
を最も重要とし、患者に信頼されるためのプロフェッショナルとなる専門性を提供するために作られた制度です。
しかし、この人間ドック認定指定医制度は、年代ごとに歴史があり
- 日本総合健診医学会より平成16年(2004年)より「総合健診専門医」制度
- 日本人間ドック学会より平成17年(2005年)より「人間ドック認定指定医」制度
に分けられ、さらに「総合健診専門医」制度は
- 日本総合健診医学会・日本人間ドック学会合同で平成24年(2012年)より「人間ドック健診専門医(予防診療専門医)」制度
に、そして「人間ドック認定指定医」制度は
- 日本人間ドック学会より平成21年(2009年)より、「人間ドック専門医」制度
- 日本人間ドック学会より平成18年(2006年)より、「人間ドック認定医」制度
に分けられ、さらに「総合健診専門医」制度と「人間ドック専門医」制度は
- 日本総合健診医学会・日本人間ドック学会合同で平成24年(2012年)より、「人間ドック健診専門医(予防診療専門医)」制度
に分けられます。
つまり、人間ドック認定医は、平成18年(2006年)に定められた制度が現在も継続されているということですね。
また専門医の方は、ちょっとややこしく日本総合健診医学会・日本人間ドック学会それぞれで専門医がありましたが、平成24年(2012年)からは2つの学会合同の専門医となったということです。
参考文献・サイト:
1)人間ドック健診の実際 p24〜26
人間ドック健診専門医制度 施行規則
最後に
今回の人間ドック専門医・認定医について、ポイントをまとめます。
- 日本病院学会の「人間ドック認定指定医」制度から始まったもの
- 専門医・認定医ともに認定条件を満たした者が定められる
- 人間ドック専門医は、専門医研究施設で一定期間研修を受けた者が認定されるもの
- 認定医は、専門の研修は必要としない
人間ドックを選ぶポイントとして、専門医や認定医がいるというと確かな健診を受けられるという安心感を得ることができるでしょう。