「ある日突然まぶたが腫れた!」

「急に唇が腫れた!」

こんなときにまず思い浮かぶのが、蕁麻疹(じんましん)です。

しかし、思い当たる原因がない・・・。

アレルギーならば、なんらかの食べ物や接触した物に原因がありそうだけど、何もないのに突然腫れるって怖いですよね?(もちろん原因のわからない蕁麻疹もあります。)

実は、先日うちの5歳になる子供も、急にまぶたが腫れて驚きました・・・。

そして病院を受診した結果、その・・・病名は「クインケ浮腫」

「何が原因なの?」

「本当にクインケ浮腫なの?」

と、心配にもなりますよね。

そこで今回は、このクインケ浮腫について

  • 症状
  • 原因
  • 診断
  • 治療

など、気になることを実際に、写真と共に解説したいと思います。

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クインケ浮腫とは?

クインケ浮腫(quincke)は、血管性浮腫(angioedema)ともいいますが、血管神経性浮腫(angioneurotic edema)などとも同じ意味です。

これらは、皮膚の表面に出る蕁麻疹とは異なり、皮下組織を含む皮膚および粘膜に突然生じる蕁麻疹のことです。

どういうこと?

通常蕁麻疹は、真皮上層(皮膚の表面)に出ますが、このクインケ浮腫は、真皮深層〜皮下組織(皮膚のより深い部分)に浮腫(蕁麻疹)が現れたものをいいます。

クインケ浮腫の症状は?

浮腫が現れる前に、前駆症状として

  • 食欲不振
  • 胃腸障害
  • 頭痛

などを認めることがあります。

どこに多く出るものですか?

クインケ浮腫の好発部位

よく起こる場所としては、

  • まぶた
  • 咽頭
  • 鼻粘膜
  • 気管支粘膜(消化管)

などが挙げられます。

とくに多いのは唇やまぶたですが、舌や咽頭・鼻粘膜〜気管支粘膜に生じることもあり、その場合浮腫により呼吸困難を起こすこともあるので注意が必要です。

クインケ浮腫の特徴

このクインケ浮腫は、

  • 限局性
  • 非対称性
  • 指圧痕を残さない
  • 重力に関係ない場所に生じる
  • 数時間のうちに浮腫が完成
  • 3日間ほどで消失する
  • 痒みは伴わない

という特徴もありますが、通常の蕁麻疹とは異なり、痒みは伴わないのも特徴の一つです。

 

ちなみにうちの子の場合・・・

いつも食欲旺盛なのに、あんまり食べないな?と思っていたら・・・

みるみるうちに目の下からまぶたにかけ腫れ上がり、最初は本人に自覚症状はなかったものの、目の中の粘膜まで腫れ上がったため「痛い」と言いだしました。

 

普段、左目は二重な子が、二重の線どころか内側の粘膜まで腫れ上がって目の下からまぶたにかけて膨れ上がった状態になりました。

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何が原因で起こるのでしょう?

クインケ浮腫の原因は?

このクインケ浮腫には、非遺伝性血管性浮腫遺伝性血管性浮腫とがあります。

非遺伝性血管性浮腫

遺伝性でないものをいいますが、原因不明・アレルギー性・薬剤性・物理的刺激によるものがあります。

ヒスタミン(蕁麻疹と同様)に起因すると考えられていますが、原因を特定できないことも多い現状です。

しかし、原因として多いもので医薬品による影響があり

  • 解熱消炎鎮痛薬
  • ペニシリン
  • 高血圧薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
  • 線溶系酵素
  • 経口避妊薬

などを服用したために、急に症状が出ることもあります。

遺伝性血管性浮腫

血清中のC1エステラーゼ阻害因子の活性低下または欠如のため、カリクレイン-キニン系が活性化されやすく、簡単に血管透過性が亢進して浮腫が起こるのです。

常染色体優性遺伝を示し、日本では10数家系存在するという報告もあり、この遺伝性だった場合、小児期〜思春期に発症することが多くあります。

クインケ浮腫の診断は?

最初は皮膚科もしくはアレルギー科に行き、疑いを持たれますが、詳しく診断するためには検査機器の整った大学病院等で調べる必要があります。

病歴・家族歴・服用薬・誘発因子などはなかったかなどを問診しますが、その他血液検査

  • 血清総IgE値
  • アレルゲン特異的IgE値

を測定して、アレルゲンを特定することを試みます。

また、遺伝子検査も診断を確定する上では重要です。

また、鑑別疾患としては

  • アレルギー性血管性浮腫
  • 遺伝性血管性浮腫
  • 後天性血管性浮腫
  • アンジオテンシン変換酵素阻害薬による血管性浮腫
  • 物理的刺激による血管性浮腫
  • 好酸球増多をともなう好酸球性血管性浮腫
  • 特発性血管性浮腫

があります。

クインケ浮腫の治療は?

原因がある場合は、それを直ちに中止することです。

しかし、喉や消化管等の場合、呼吸困難を生じることもあるため、救急処置を要します。

それ以外の治療方法はあるの?
  • 軽症の場合、抗ヒスタミン薬薬(H1拮抗薬)の内服や静脈注射
  • 重症の場合、副腎皮質ホルモンの静脈注射

また、C1INH補充療法 を行うこともあります。

ちなみにうちの子の場合、半日ほどで症状は落ち着きましたが、ポララミンドライシロップ・セルテクトドライシロップ・プレドニンを処方され、緊急時には急いで来院するように言われています。

参考文献:
Simple Step 皮膚科 P125・126
まとめてみた皮膚科 P149
参考サイト:
HAE情報センター
重篤副作用疾患別対応マニュアル 血管性浮腫(血管神経性浮腫)

最後に

クインケ浮腫について、ポイントをまとめます。

  • 皮下組織を含む皮膚および粘膜に突然生じる蕁麻疹のこと
  • 前駆症状として、食欲不振・胃腸障害・頭痛が出ることもある
  • 限局性・非対称性・指圧痕を残さない・重力に関係ない場所に生じる・数時間のうちに浮腫が完成・3日間ほどで消失する・痒みは伴わないという特徴がある
  • 非遺伝性血管性浮腫と遺伝性血管性浮腫とがある
  • 非遺伝性では、原因不明・アレルギー性・薬剤性・物理的刺激などで起こる
  • 遺伝性では、常染色体優性遺伝を示し、小児期〜思春期に発症する
  • 問診や血液検査、遺伝子検査で診断する
  • 原因となるものを直ちに中止する必要がある

 

ちなみに、うちの子の場合、主人もよく疲れやストレスがたまるとまぶたや頰が腫れることもあるため、遺伝性が怪しいと言われています。

一度の発症で診断確定となることは難しく、次回また出た場合、早急に受診し診断のために遺伝子検査を検討するということになっています。

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