医療用語で使われるものに「コンソリデーション(consolidation)」があります。

胸部CT(肺のCT)検査の所見の表現として使われるものです。

では、このコンソリデーションとは一体どのような画像の所見を示すのでしょうか?

また、対比される言葉に「すりガラス影」という用語があります。

2つの用語にはどのような違いがあるのでしょうか?

今回はコンソリデーションとすりガラス影について実際のCT画像を用いてまとめました。

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コンソリデーションとは?

コンソリデーションとは、胸部CT(肺のCT)を読影する(読む)ときに使われる用語です。

その説明の前に、正常な胸部CT画像を見てみましょう。

上のCT画像で黒いところ(低吸収部位)は左右の肺実質(肺胞に空気が含まれている状態)を表します。

またその中に見られる白い線は、肺の血管を示唆します。

肺の血管とは、肺動脈と肺静脈からなります。

そして、肺動脈に赤色、肺静脈に青色をつけると次のようになります。

医師
そしてここからが本題です。

コンソリデーションとは、肺胞内の空気が消失して、内部の血管が全く認識できないような陰影を指します。

症例 60歳代男性 肺炎・肺化膿症

つまり上のように、真っ白になって、黒い肺実質の中の、白い血管が見えない状態をコンソリデーションと言います。

そして、コンソリデーションは、肺の結節や腫瘤などと認識できる塊以外の全ての陰影に対して用いられる言葉です。

コンソリデーションを日本語で表すと?

そんなコンソリデーションですが、日本語訳するとどういう用語になるのでしょうか?

しばしば、浸潤影(しんじゅんえい)という用語が用いられますが、厳密には、コンソリデーション=浸潤影ではないのです。

他にも、

  • 均等影(きんとうえい)
  • 融合影(ゆうごうえい)

という用語が用いられることがありますが、いずれもコンソリデーションとイコールではありません。

というのは、コンソリデーションには、器質化や線維化といった浸潤性の病変以外のものも含まれているため1)です。

ただし、実際の医療の現場では、コンソリデーション≒浸潤影として使われていますので、「厳密には違うけど」ということを念頭に置いた上で、使っていくのが良さそうです。

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医師
では次にすりガラス影について見て行きましょう。

すりガラス影とは?

コンソリデーションが、内部の血管が見えない状態であるのに対して、すりガラス影とは、中の血管が認識できる程度の陰影のことを言います。

つまり、(白い血管が見える程度の)薄い白さを示すのがすりガラス影です。

症例 70歳代女性 インフルエンザウイルス肺炎

上のように先ほどと比べて、陰影が淡い(白さが薄い)ことがわかります。

拡大してみますと次のようになります。

陰影の中を白い血管が通っていることを認識できますよね。

これをすりガラス影と言います。

すりガラス影は、英語で、ground glass opacityであり、その頭文字をとってGGO(読み方はジージーオー)としばしば呼ばれます。

すりガラス影の原因は?

胸部CT画像で「すりガラス影」が見えるとき、そこには大きく2つの原因があります。

1つが肺胞隔壁が厚くなっている状態です。

狭義間質病変とも言われ、間質性肺炎など線維化病変で見られることがあります。

もう一つが、肺胞内に水が溜まるけれども、水浸し状態とまではいかないという状態です。(水浸しになるとコンソリデーションになります)

肺炎などで見られます。

つまり、

  • 肺胞隔壁の肥厚
  • 肺胞内液体貯留

という全く違う病態であるのに、画像で見ると同じようなすりガラス影に見えてしまうのです。

逆に言えば、すりガラス影だけを見て、病態はわからないということでもあります。
周りの肺構造や臨床所見と合わせて判断することが重要です。

すりガラス影があるときの鑑別診断は?

すりガラス影を見たときに

  • すりガラス影のみ
  • すりガラス影+均等影混在
  • すりガラス影+網状影混在

でわけて見ていく必要があります2)

すりガラス影のみの場合

この場合多くは急性病変であり、

  • 肺炎
  • 肺水腫
  • 肺出血
  • ニューモスチス肺炎
  • 薬剤性肺炎

などが鑑別に挙がります。

慢性期病変としては、

  • 肺胞蛋白症
  • 呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患(RBILD:respiratory bronchiolitis interstitial lung disease)

などの慢性経過が鑑別に挙がります2)

すりガラス影+均等影の場合

均等影の周りにすりガラス影を認めるパターンが多く、

  • 肺炎
  • 特発性器質化肺炎(COP:cryptogenic organizing pneumonia)

などが鑑別に挙がります2)

すりガラス影+網状影の場合

この場合、網状影が

  • crazy-paving appearanceのような規則正しい配列をした編み目
  • 線維化による不均一な網状影

なのかでさらにわけられます。

規則正しい配列の場合、

  • 肺水腫
  • 肺出血
  • ARDS
  • 薬剤性肺炎
  • ニューモスチス肺炎
  • 粘液型肺腺癌
  • 肺炎

などが鑑別に挙がります。

一方、不規則な場合は、

  • 間質性肺炎

の可能性が高くなります。

さらに間質性肺炎の中でも1つの二次小葉内で陰影が均一か不均一かでさらに分類されます。

均一な場合は、

  • 特発性NSIP
  • 膠原病肺
  • 剥離性間質性肺炎(DIP:desquamative interstitial pneumonia)
  • リンパ球性間質性肺炎(LIP:lymphoid interstitial pneumonia)

などが鑑別に挙がり、

不均一な場合は、

  • 特発性間質性肺炎(IPF:idiopathic pulmonary fibrosis)

が鑑別に挙がります2)

最後に

コンソリデーションとすりガラス影についてまとめました。

肺炎を疑う場合に、コンソリデーションがあるから、すりガラス影があるからといって、すぐに肺炎と診断することはできませんし、その原因菌を同定することはできません。

ただし、ウイルス性など非定型肺炎はすりガラス影が主体で見られることが多く、ヒントにはなります。

すりガラス影が進行すると、コンソリデーションになりますので、陰影の弱いところでその特徴を見ていくことが重要です。

参考になれば幸いです( ´∀`)

参考書籍:
1)胸部のCT 第3版(MEDSI) P411

2)放射線科研修医の胸腹部画像診断must know 2017年 10 月号 [雑誌]: 臨床画像 増刊 P32-36

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